恐竜の進化に迫る特別展「恐竜博2023」が国立科学博物館で開催—生物多様性を減らさないこと、人間を含む地球の未来のために
“攻・守”をテーマに恐竜の進化に迫る特別展「恐竜博2023」が国立科学博物館で開催されている!どのような恐竜博になっているの!?記事を読み進めよう!
隕石が落ちてきて恐竜たちの時代が終わり、一部の鳥たちしか生き残れなかったということは何も変わっていませんが、ズール・クルリヴァスタトルなどがいた7600万年前から6600万年前の最後の1000万年くらいは地球の気温がどんどん下がっていき、恐竜の多様性も減ってきたという説が出ています。隕石がとどめをさしましたが、もっと大きな変化があったはずだというところが注目されています。最後には、いまのカワセミ、17世紀にインド洋のモーリシャス島で絶滅してしまった飛べないハト科 ドードーも紹介しています。ドードーも、もし私たち人類がモーリシャス島にしかいない貴重な珍しい種類だと知っていれば、易々と絶滅させてしまうようなことはなかったと思います。みなさんも6600万年前には第5の大量絶滅があったことは重々ご承知だと思いますが、現代はもっと深刻な第6の大量絶滅の時期に来てしまっています。「恐竜博 2023」を観て、恐竜のことを考えて、6600万年前に想いを馳せたら、同じような興味・関心を現代の生態系にも寄せていただきたいと思います。最後には人間が絶滅させてしまったドードーに登場してもらい、“このままだとどんどん絶滅しちゃうけど、それでいいの?”と人間に問いかけていただく役割をお願いしています。
公式図録&オリジナルグッズ
恐竜に関わる様々な専門家の協力と工夫によって制作され、最新の研究や迫力ある復元画、緻密な骨格図など、本展の展示内容のほか、会場では紹介しきれなかった標本の見どころやコラムまでもが収載されている公式図録のほか、本展に登場する恐竜たちのオリジナルぬいぐるみや、最新学説をもとに海洋堂が恐竜を綿密に立体化したフルカラー版オフィシャルカプセルフィギュア、Tシャツ、文房具、雑貨などのオリジナルグッズがたくさん販売されている。
恐竜は、これまで発見されている種よりもさらに多い種が太古の地球上に生きていたことが予想され、多様性に満ちていたと考えられている。このリポートのサブタイトルとなっている「生物多様性を減らさないこと、人間を含む全地球の未来のために」は、国立科学博物館 副館長の真鍋真博士のことばと、公式図録から抜粋したものではあるが、本展では恐竜の進化と絶滅、そして多様性を知って学ぶことができ、太古の生物・恐竜に思いを馳せると同時に、恐竜が生きた過去からずっと繋がっている現代、そして未来を生きる私たち人間を含む生物の多様性の重要・必要性も重ね合わせて考えることができる。真鍋真博士は言う、「生態系は生物多様性が高い方が壊滅的なリスクが低くなると考えられている。絶滅数を少なくするためには、生息地の環境崩壊を最小限にすることであり、それは大規模な絶滅があったとしても、そこから生物多様性が回復しやすい環境を維持するという意味もある。生物多様性の減少を低く抑えられたとしても、私たちヒトが生き残ることを保証するものではない。しかし、歴史から学ぶことができる唯一の生物である私たちは、近未来のために、活動を起こさなければならない」と——。
特別展「恐竜博 2023」は、2023年6月18日(日曜日)まで東京・国立科学博物館で開催。終了後は、巡回展が7月7日(金曜日)から9月24日(日曜日)まで大阪・大阪市立自然史博物館で開催される。
SAPIENS TODAY|サピエンストゥデイの読者のみなさまとCHALLENGER’S TV beehiveの視聴者のみなさまの中から抽選で、特別展「恐竜博 2023」の無料観覧券(5月19日までの入場期限付き)をプレゼントさせていただきます。詳しくは、次のページをご覧ください。
会期: 2023年3月14日(火曜日)から6月18日(日曜日)
時間: 9時00分から17時00分(入館は16時30分まで)※ただし、毎週土曜日、4月30日(日曜日)から5月7日(日曜日)は19時00分まで延長(入場は18時30分まで)※常設展示は17時00分閉館(入場は16時30分まで)、4月29日(土曜日)から5月7日(日曜日)は18時00分閉館(入場は17時30分まで)
休館: 月曜日 ※ただし、5月1日(月曜日)・6月12日(月曜日)は開館
会場: 東京・国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
料金: 日時指定予約制 一般・大学生 2,200円(税込) / 小学生・中学生・高校生 600円(税込) / 障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名 無料 / 未就学児 無料
備考: 終了後、巡回展が7月7日(金曜日)から9月24日(日曜日)まで大阪・大阪市立自然史博物館で開催。
注意: 情勢によりやむを得ず、会期や開館時間等に変更が生じる場合や、休館となる可能性もあります。最新情報、詳細、注意事項を公式サイトにて必ずご確認ください。
お問い合わせ: ハローダイヤル 050-5541-8600
特別展「恐竜博2023」も世界初・日本国初公開の化石や全身骨格が展示され、予想以上に見応えがあり、恐竜の進化から絶滅、そして多様性までを学ぶことができる。現代の人間社会では、さまざまなところで多様性と包括性の重要性が叫ばれてはいるものの、“自分が正しい”“自分が偉い”“自分が一番”という“自分至上主義”、さらには人種差別やLGBTQI+差別、排他的・不寛容な空気も蔓延り、なかなか進歩していないのが現実。しかし、恐竜の進化・絶滅・多様性とその史実から、人間を含む生物多様性の重要・必要性を知り、学ぶことができる本展は、画期的である。太古の地球に生きた恐竜の貴重な実物化石や骨格標本をいま私たちが観ることができるのは、発掘や研究に携わる人々の努力の賜物であることと、彼らへの感謝も忘れてはならない。本展の内覧会に出席したSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの戸井田晃典さん(俳優)は、「「いまは第6の大量絶滅の時期にきている」と言う真鍋先生のお話と、本展終盤にある人間の乱獲などによって絶滅してしまったドードーが自分の中でリンクしたことです。恐竜の化石や、テレビ・映画で恐竜を見たことがあっても、どこか“昔の話”として片付けていた部分がありましたが、真鍋先生のお話をお聞きして本展を観ることで“実際に存在した生き物”という認識に変わりました。自然の摂理の中に種の競争や絶滅が存在することはごく自然なことだとは思いますが、人間の手で他の種や生物の絶滅を早めては絶対にいけないのだと思いましたし、生物多様性の重要性も学ぶことができました。賀来賢人さんが登場したオープニングを見学させていただいたことも貴重な体験でした。賀来賢人さんの音声ガイドを聴きながら展示を観ることで、一緒に回っているような気持ちになって楽しかったです!とにかく声が良い!僕の質問に丁寧に答えて教えてくださった真鍋先生、ありがとうございました!」と感想を寄せた。追加情報として、イタリア共和国以外では世界初、日本国初公開となる“奇跡の赤ちゃん恐竜”スキピオニクスの実物化石が来日し、3月24日(金曜日)から本展で公開!この貴重な機会を見逃すな!