各分野の毒を網羅した特別展『毒』が国立科学博物館で開幕—伊沢拓司も登場“大事なのは正しく知って正しく恐れることだと思う”
植物・動物・人間がつくり出す様々な毒など、毒の世界を紹介する特別展『毒』が開幕した!どのようなオープニングになったの!?記事を読み進めよう!
毒をテーマにした初の特別展『毒』が、2022年11月1日(火曜日)に東京・国立科学博物館で開幕した。
本展の開幕に先駆け、10月30日(月曜日)に内覧会が開催され、オープニングには本展を監修した国立科学博物館の各部研究員のほか、ゲストとして本展のオフィシャルサポーターを務めるクイズプレイヤー/タレント/YouTuberの伊沢拓司が登壇。
本展の監修統括を務めた国立科学博物館 植物研究部長の細矢剛は、本展について「この展覧会は、皆さんを毒の世界へお連れします。一見単純そうで、実は幅広く、そして複雑な毒という存在をわかりやすく、楽しくお伝えするために、この“科博”全部の研究部の研究者9人がこの展覧会に関わっています。6つのコンテンツを探りながら、毒とはどういうものなのかというものを考え、自分なりの答えを見つけたいただければと思います」と説明し、毒については「展覧会は、毒の多様性や多面性を理解してもらいたいと企画されました。毒というのは、物質、モノではありますけど、自然の働き、自然の営みというものを理解していくために生み出されたアイデアや概念というふうに考えることもできると思います。毒と向き合う姿勢は、科学そのものである。毒とうまく付き合うということが我々に求められることなのではないかというメッセージまで伝わればと思います」と語った。続けて、子どもの頃に毎年のように国立科学博物館に来ていたという伊沢拓司が登場し、本展のテーマである毒について「子どもの頃から図鑑で見ていてどうなっちゃうんだろうという怖さと、怖いんだけどちょっと刺激的で魅力的で、危ないんだけど知りたくなってしまうような要素もあり、どうしても興味をそそられてしまう、惹かれてしまう存在」とコメントし、一足早く本展を観て「まず展示が重厚です。これだけ幅広いジャンルの国立科学博物館の9人の先生方が集まってそれぞれが毒について語っています。たくさんの標本やモデルがあったり、子どもから大人まで楽しめるようなギミックがたくさん用意されていたり、毒にまつわるありとあらゆることを知っていただく素晴らしい機会がここに用意されています。2時間くらいは尺を取っていただきたいところです。僕は、1周するのに3時間、4時間くらいかかりました。親御さんは、お子さんが“帰りたくない”と言い出す対策だけはしておいた方がいいかなという展示になっています」と話し、オープニングを終えてもまだ会場を回ってじっくり展示を観ていた。また、「頭に突起があるようなカエルが体当たりしたときにその突起で肌を傷つけて、そこから毒を——みたいなものを、この展示のためだけにモデルが作られているという、この展覧会だけでしか見られないものがたくさんありました」と本展の魅力を語ると、細矢剛が「この展覧会のために新たに3Dプリンタで3Dモデルを制作したものもあり、拡大して初めて構造がわかるものもありました」と本展をきっかけにわかったこともあったという。QuizKnock(クイズノック)が出題するクイズについては「展示を観ながら解けるということになっているので、クイズの答えを探してみようという視点で観ると、色々なことに興味が湧くような気がしています。クイズの視点が1個加わることで、クイズがきっかけで実は面白いということに気づけることもあるので、興味の補助として使っていただきたい」と、クイズを通しても本展の面白さを感じてほしいという。最後に「毒というと、怖い印象や、もしかすると親御さんは子どもに見せたくないかもと思ってしまうかもしれませんが、大事なのは、正しく知って正しく恐れることだと思うんですね。この展示の中では、毒も薬になるみたいな要素であったりとか、毒の利用や、人間と生物との毒の付き合い方みたいなお話もあります。知らずにただただなんとなく恐れるのではなく、毒についてちょっと魅力的な要素から入っていって正しく知っていただく。そして、これだけ日常の中にあるので、毒から我々は逃れられないからこそうまく付き合っていくみたいなことを、知識を入れて感じていただければと思います」と、これから来場する方々にメッセージを送って締め括った。
本展は、毒の概念から始まり毒が人間を含む生物にどのように作用するのかについて解説する第1章「毒の世界へようこそ」、私たちのまわりにある様々な「毒」と「毒」をもった生物の巨大模型(ハブは実物の約30倍、オオスズメバチは実物の約40倍、イラガは実物の約100倍、セイヨウイラクサは実物の約70倍)や剥製標本などを紹介する第2章「毒の博物館」、毒が招いた多様性と進化の例を紹介し毒と生物の進化の関係を考える第3章「毒と進化」、毒と人間をテーマに太古から近現代にわたる毒と人間の関わりを考える第4章「毒と人間」、新たな毒を生み出している人間の活動と未来を考える終章「毒とうまくつきあおう」で構成され、総展示“毒”数は250点超。動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する毒について、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げ、国立科学博物館ならではの視点で解説している。さらに東京大学発の知識集団 QuizKnockも参加し、様々な“毒クイズ”を出題。来場者は“毒クイズ”に挑戦しながら毒についての様々な知識を得ることができる。
特別展『毒』は、来年2023年2月19日(日曜日)まで東京・国立科学博物館で開催。尚、終了後は、巡回展が来年2023年3月18日(土曜日)から5月28日(日曜日)まで大阪・大阪市立自然史博物館 ネイチャーホールで開催される予定となっている。
会期: 2022年11月1日(火曜日)から2023年2月19日(日曜日)
時間: 9時00分から17時00分(入場は16時30分まで)
休館: 月曜日・2022年12月28日(水曜日)から2023年1月1日(祝日・日曜日)・1月10日(火曜日) ※ただし2023年1月2日(休日・月曜日)・1月9日(祝日・月曜日)・2月13日(月曜日)は開館
会場: 東京・国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
料金: 一般・大学生 2,000円(税込) / 高校生・中学生・小学生 600円(税込) / 障がい者手帳等をお持ちの方(要証明)と同伴される介護者1名 無料 / 未就学児 無料 ※要保護者同伴 / その他
注意: 情勢によりやむを得ず、会期や営業時間等に変更が生じる場合や、休館となる可能性もあります。最新情報、詳細、注意事項を公式サイトおよび公式SNSにて必ずご確認ください。
備考: 巡回展は、来年2023年3月18日(土曜日)から5月28日(日曜日)まで大阪・大阪市立自然史博物館 ネイチャーホールで開催予定。
お問い合わせ: ハローダイヤル 050-5541-8600
国立科学博物館が開催している特別展初のテーマとなった“毒”。特別展『毒』は、各分野の毒を網羅しているが、国立科学博物館の研究員の先生によると、本当はもっと危ない毒も展示したかったとか・・・展示に限度があるほか、正しい知識を身につけるだけであれば良いが、悪用したり、間違った利用の仕方をしたりする人も現れるので、展示することは叶わなかったようだ。色々なものに興味が湧く“興味中毒“で、過去に医者からも「(徹夜して)体調が悪くなるからサッカーは見るな」とドクターストップがかかったことがあるにも関わらず、これからワールドカップも始まるために”サッカー中毒”になっているという伊沢拓司さんが話す「大事なのは、正しく知って正しく恐れること」は、毒についてだけではなく、日常や人間関係などにも言え、共感。”毒”と“薬”が入り混じる現代社会を生かされ生きる上で、本展は考えるきっかけとなり、大きなヒントにもなる。本展の内覧会に出席したSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの戸井田晃典さん(俳優)は、「毒についての知識は0でしたが、動物・植物・人工・人間の毒について知ることができ、楽しめました!中でも“身の回りの毒”に興味を持ちました。普段生活してる中に有毒なものがこんなにたくさん潜んでいるのかと思ったのと同時に、一般的な"毒"と呼ばれているモノ以外にも、人体に害を及ぼすモノを怖がらずに生活できていることに、見えていない部分の企業や生産者の努力も感じることができました。伊沢拓司さんの「毒に対する知識を正しくつけて正しく怖がる」というお話をお聞きし、“危険”という一括りで“毒”を避けていた自分にはない感覚だったので、普段から“正しく知って正しく怖がる”という意識を持って何事にも興味を持ってみようと思います。菌類の毒について教えていただいた細矢剛先生、動物の毒について教えていただいた吉川夏彦先生、ありがとうございました!」と感想を語った。