夢と情熱が詰まった新しい恐竜x科学体験『DinoScience 恐竜科学博』—恐竜が生きた白亜紀 ララミディア大陸にタイムスリップ
現在開催中の新しい恐竜x科学体験『DinoScience 恐竜科学博』は、夢と情熱が詰まった今夏最大の恐竜イベントだった!その全貌と見どころは!?記事を読み進めよう!
発見ラボラトリーでは、「恐竜時代の最後に存在した幻の大陸・ララミディアとは?」、「ララミディア大陸の温暖な気候と豊かな生態系」、「規格外に巨大化した角竜トリケラトプスの特殊性」、「幾千、幾万の群れで闊歩したエドモントサウルス」、「異例の独自進化を遂げた頂点捕食者ティラノサウルス」、「恐竜ごとに食性が異なる歯の形・大きさ・機能」、「高度に進化・特殊化したララミディアの恐竜たち」、「骨格に残された傷跡や病変から恐竜の生きた姿をひもとく」、「恐竜の皮膚や羽毛など表皮構造を解明・推測する」、「足跡の生痕化石から恐竜の行動や生態を読み解く」の10のテーマをカートで展示。貴重な標本や資料を通して、ララミディア大陸の気候や生態系、生息していた恐竜たちの驚きの特徴が掘り下げて紹介され、恐竜が繁栄したララミディア大陸を解き明かすことができる。また、トリケラトプスやエドモントサウルス、ティラノサウルスの解説コーナーでは、ひとの裸眼で立体映像を見ることができるソニーの高精細な空間再現ディスプレー Spatial Reality Display『ELF-SR1』で恐竜の3DCGモデルが展示され、恐竜の肌の質感や体のつくりも観察することができる。
恐竜科学博のテーマは、ララミディア大陸の恐竜物語です。ララミディアという言葉、恐らくよほど恐竜がお好きな方でもない限りは、今回初めて耳にしたという方が多いのではないかと思います。恐竜がいた白亜紀の後期にあった大陸で、いまは北アメリカ大陸に繋がっているので失われた大陸です。長い恐竜時代の最後の最後2,000,000年間の、ララミディア大陸の中部の、海岸の低地の湿地帯の、トリケラトプスやティラノサウルス、エドモントサウルスがいた世界が舞台で、1つのスポットに絞った恐竜科学博です。通常、恐竜図鑑や恐竜展・博物館など恐竜のコンテンツは、できるだけ恐竜の時代・世界全体を大きく俯瞰、網羅していくような、そして分類で順番に紹介していくような本や展示がメジャーですが、今回はまったく正反対のコンセプトでつくっています。従来型の恐竜展・恐竜博は、俯瞰して網羅していくという形は正解なのですが、一方で100,000,000年を超えた恐竜が隣同士で展示されていて、本当の恐竜の実態や、恐竜が生きていた世界、彼らはどんな世界を見つめていたのか、そういった実態が従来の展示ではなかなか見えてきませんでした。今回、場所を徹底的にローカルにすることによって、目玉の展示であるトリケラトプス“レイン”がいったいどんな世界を見ていたのか、どんな生きものたちと暮らしていたのか、皆さんに生きものとしての恐竜の世界を見つめて体感してほしく、それを通して私たち人類の科学は恐竜の世界にどこまで近づくことができたのか、それを体現した展示となっています。
発見ラボラトリーの中央には、世界で唯一脳腫瘍の痕跡と全身に渡って激しいけがや病気による変形の痕が数多く見られるゴルゴサウルス“Ruth(ルース)”の復元全身骨格標本が展示されており、実際に復元全身骨格標本でも、詳しく解説しているテーマ「骨格に残された傷跡や病変から恐竜の生きた姿をひもとく」のカートでも脳函に脳腫瘍の痕跡、全身の激しいけがや病変部も確認することができる。ゴルゴサウルス“ルース”は、現在研究中の標本であり、新種として発表される予定になっているという。
ゴルゴサウル“ルース”は、例えて言うならティラノサウルスがライオンであればチーターのように小型でスリムな恐ろしいハンターで、いまのところ世界で初めて明確に脳に腫瘍があったことがわかっています。全身がボロボロで、体中けがだらけなのですが、その原因が脳の腫瘍の位置が平衡感覚を著しく阻害していたために真っ直ぐ歩くことも困難な状態で生きて、全身けがだらけになってしまったという、ある意味では可哀想ではあるんですが、一方でその状態でも力強く生き続けていたという生命力も感じることができる印象的な恐竜です。恐竜は、キャラクター的に名前があってデータがあってというふうに楽しまれることが多いのですが、じっくり見ていくと一体一体の恐竜に間違いなく生きものとしての個性や生涯があります。今回は、そういうところまで踏み込んでいますので、注目してください。
フィールドツアー〜少年トリケラトプスの冒険〜
フィールドツアーでは、幼いトリケラトプスがふとしたきっかけで群れからはぐれ、薄暗い森にさまよい混んでしまい、危険がいっぱいのララミディアで様々な生き物と出会う冒険を、来場者も一緒に体験する企画展示となっている。入り口や各所は、ソニーの360立体音響技術を駆使して構築された音による仮想的な空間拡張体験ができ、前ゾーンとは雰囲気も変わり、白亜紀後期にタイムトラベル!壁面に映し出される子どものトリケラトプスや恐竜たちのシルエット、地面にある子どものトリケラトプスの足跡をたどって行くと、そこには・・・!
子どものトリケラトプス=世界初公開となるトリケラトプス(幼体)の復元全身骨格標本が、白亜紀後期のララミディア大陸に生息していた子どものティラノサウルスや有袋類に近縁な哺乳類ディデルフォドン、未命名の翼竜、現代にも生息しているワニ類やカメ類に出会っていく。これまで発掘された断片的な化石と近年の固体発生の研究に基づいて再現されたティラノサウルス(幼体)の復元全身骨格標本も世界初公開、未命名の翼竜の復元全身骨格標本は日本国初公開となっている。
日本国初上陸・初公開のトリケラトプス“Lane”の実物全身骨格標本と実物皮膚痕化石標本がメインではあるが、実は、世界初公開や日本国初公開、新種を含む復元全身骨格標本が展示・公開されていることもトリケラトプス“Lane”同様にすごいことであり、総合的に熱くてヤバいDinoScience 恐竜科学博!今夏最大の恐竜イベントと言える。DinoScience 恐竜科学博の内容や恐竜くんの情熱、ソニーの総力がすごすぎて、SAPIENS TODAY|サピエンストゥデイの編集部も総力をあげて見出しに恐竜のシルエットを入れたり、デザインをおしゃれにしたりと、いままで以上に時間と労力を費やした情熱的な特集&リポートになっている(はず)!笑、是非、みなさんもDinoScience 恐竜科学博に足を運んで体感していただきたい。夢を抱いたり、何かに情熱を注いだりすることが必ず後の何か繋がるということも、DinoScience 恐竜科学博と恐竜たちが子どもや若者たち、そして大人にも教えてくれる。今回はララミディア大陸にフォーカスしたテーマだったが、シリーズ化して次回は違ったテーマで開催してほしいと、閉幕しないうちから願っている。