企画展『マンモス展—その「生命」は蘇るのか』開幕—マンモスと一緒に生命とは何かを考える
ロシア連邦サハ共和国のバタガイカ・クレーターの永久凍土のレプリカが展示されている。凍った土の層がキラキラと輝き、土とは思えないほど綺麗。発掘調査隊は、この永久凍土から古代仔ウマ“フジ”を発見した。
世界初公開のケナガマンモスの皮膚と仔ウマ“フジ”(冷凍標本)
ロシア連邦の特別重要文化財「仔ウマ「フジ」」の完全体冷凍標本が、世界初公開・初展示されている。調査隊が発掘した仔ウマ「フジ」を調査・解剖した結果、約42,000年前の個体であることと、世界唯一の古代ウマの完全な遺体であることが判明したほか、古生物学史上初となる血液と尿の採取に成功し、世界的にも新発見として大々的に報じられた。
世界初公開のユカギルバイソンとライチョウ、日本国初公開の仔イヌ(冷凍標本)
ロシア連邦の特別重要文化財「ユカギルバイソン」の冷凍標本が世界初公開・初展示されている。ユカギルバイソンは、約9,300年前の個体で、胃の中に残っていた消化物から植生や当時の環境が解明された。さらにロシア連邦の特別重要文化財「ライチョウ」の冷凍標本も世界初公開・初展示されている。ライチョウは約1,600年前の個体で、羽根も残っており、今後研究が進めばニホンライチョウとの親戚関係がわかるかもしれない個体と言われている。そして、ロシア連邦の特別重要文化財「仔イヌ」の冷凍標本が日本国初公開・初展示されている。仔イヌは約12,450年前の個体で、生後3ヶ月であることがわかっており、オオカミからイヌへの進化が研究される可能性があるという。
企画展『マンモス展—その「生命」は蘇るのか』, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
編後