セサミストリートが薬物依存症の母親を持つ里子カーリのエピソード日本語吹替版を初公開—家族を題材にしたエピソードを毎週配信
セサミストリートを手掛けるセサミワークショップが薬物依存症の母親を持つ里子カーリのエピソード日本語吹替版を初公開!どのようなエピソードが公開されたの!?記事を読み進めよう!
世界150以上の国と地域で愛され続けている子ども向け教育テレビ番組『Sesame Street』(『セサミストリート』)が、薬物依存症の母親を持つ里子のマペットKarli(カーリ)のエピソード日本語吹替版を初公開した。
セサミストリートや子どもの教育プログラムを手掛けるアメリカ合衆国の501(c)(3)(非営利組織)Sesame Workshop(セサミワークショップ)は、セサミストリートの日本公式YouTubeチャンネルでカーリのエピソード『みんなの力をかりて』の日本語吹替版を初めて公開。
今回公開されたエピソード『みんなの力をかりて』の日本語吹替版は、俳優のChris Knowings(クリス・ノウィングス)演じるヒューマンキャストChris(クリス)と、Elmo(エルモ)、薬物依存症の母親を持つ里子のカーリが遊んでいるシーンから始まり、クリスとカーリがエルモにカーリの母親の事情を説明する様子が映し出され、カーリは自身の母親が出掛けている理由について「みんなで大人の問題を話し合ってるんだよ。また元に戻らないようにって、毎日言ってる。ママは・・・そう・・・みんなの力をかりて自分を大切にすることを勉強してるとこ。だから、同じことで困ってる人たちとお話しするの」と、薬物依存症を抱える母親が自身と同じように薬物依存症を抱える人たちと一緒に薬物依存から回復するためのグループミーティングに参加していることを説明。そして、カーリの母親は周囲や同じ境遇の人などの力を借り、カーリは友達の力を借り、みんなの力を借りながら難しい問題を乗り越えていることを伝えている。
薬物依存症やアルコール依存症を抱える人々のグループミーティングは、覚せい剤、大麻、脱法合法ハーブ・MDMAなどの危険ドラッグ、シンナー等の有機溶剤、市販薬、その他の薬物、アルコールに依存してしまった人々がひとつの場所に集って薬物・アルコールの使用・多量摂取をするに至ったきっかけや経緯、経過、体験談、回復・治療の状況などを話し合い、薬物・アルコールに依存せず、薬物・アルコールを使用・多量摂取せずに暮らしていくために一緒に考え、知恵・知識を出し合い、回復を目指すプログラムの一つ。日本国でも薬物依存症を抱える人々がグループミーティングをするなどをして回復・治療を目指し、それを医療・福祉・地域・教育など様々な面からサポートするNPO(非営利組織)・施設としてDARC(日本ダルク)やAPARI(アパリ)を中心に全国各地にダルクの施設が存在する。
カーリ、カーリの里親であるDalia(ダリア)とClem(クレム)は、昨年、アメリカ合衆国現地時間2019年5月20日(月曜日)のNational Foster Care Month(全国里親月間)中に、セサミストリートのコミュニティ・プログラム「Sesame Street in Communities」(セサミストリート・イン・コミュニティーズ)の一環として、里子・里親や児童養護施設などを支援する新たなイニシアチブ(プログラム)の映像・絵本・教材・インタラクティヴな活動と、里親と里子のストーリーや愛情を伝えることを目的として発表され、世界中で話題になった。
セサミワークショップは、子どもたちにとっても自身の親・家族の問題や家庭環境も大切なものであるとし、今後、カーリのエピソードを通して里子・里親、親(家族)の薬物依存症について、Abby Cadabby(アビー・カダビー)のエピソードを通して親の離婚と再婚について、Julia(ジュリア)のエピソードを通して自閉症をはじめとする発達障がいとそれを支える家族について、Lily(リリー)のエピソードを通してホームレスについて、Jesse(ジェシー)のエピソードを通して親(家族)の死についてなど、それぞれ環境や境遇が異なる家族をテーマにしたエピソードの日本語吹替版をセサミストリート日本公式YouTubeチャンネルで毎週配信していく。
『みんなの力をかりて』日本語吹替版
セサミストリートは、子どもたちと親たちにも夢や希望、勇気、元気を与えると同時に、社会の現実についてもしっかりとリアルに伝え、社会の現実の中で正しく言動し、生かされ生きていくための大切なことを教えてくれる。薬物依存症についてもリアルでディープだが、アメリカ合衆国や海外だけの問題ではなく、ここ日本国にも存在する事実。難しい問題ではあるけれど、一人だけの問題としてではなく、みんなの問題として、みんなで助け合い、支え合い、解決していく必要がある。