セサミストリートに新キャラクターのカーリが登場—里親・里子・児童養護施設を支援するプログラムを発表
世界150の国と地域で愛され続けている子ども向け教育テレビ番組『Sesame Street』(『セサミストリート』)に、新たなキャラクターKarli(カーリ)とその里親であるDalia(ダリア)とClem(クレム)が登場した。
子どもの教育テレビ番組『セサミストリート』を手掛けるアメリカ合衆国の501(c)(3)(非営利組織)Sesame Workshop(セサミワークショップ)は、National Foster Care Month(全国里親月間)中のアメリカ合衆国現地時間2019年5月20日(月曜日)に、コミュニティ・プログラム「Sesame Street in Communities」(セサミストリート・イン・コミュニティーズ)の一環として、里子・里親や児童養護施設などを支援する新たなイニシアチブ(プログラム)の映像・絵本・教材・インタラクティヴな活動と、里親と里子のストーリーや愛情を伝えることを目的とした新たなキャラクターのカーリとその里親であるダリアとクレムを発表。
発表と同時に公開された映像は、Elmo(エルモ)がカーリとダリア、クレムの自宅に招かれ、ピザパーティーに参加するシーンから始まる。ダリアは、エルモにカーリが里子であることと「カーリの実の母親が再びカーリの世話をすることができるようになるまで、彼女を安全に預かるの」と説明し、エルモはそれがいつになるのか尋ねるが「わからないわ。私たちが知っているのは、カーリがいまいるべき場所はここだということよ」と説明。ダリアが、カーリに「You have a place at the table」(あなたにはテーブル(居場所)があるわ)と語りかけ、「You are safe. You are strong. There is a place for you here you belong.」(あなたは安全。あなたは強い。あなたがいるべきあなたの居場所がここにある。)と、「A Place For You」(プレイス・フォー・ユー)をみんなで歌ってカーリを元気づける映像となっており、見るものの心を揺さぶる。
このイニシアチブ(プログラム)とキャラクターは、児童養護施設や里親のもとで暮らす子どもたちが生まれてすぐに両親と分離したり、両親と一緒に暮らすことができなかったり、養育施設または里親のもとで暮らしたり、実の親と再会したりと、多くの変化を経験する中で、子どもたちがその過程で様々なことに対処できるように作られ、里親も子どもたちも安心するような親しみやすいものとなっている。また、このようなイニシアチブ(プログラム)がスタートし、カーリとダリア、クレムのようなキャラクターが発表された背景には、アメリカ合衆国では児童養護施設や里親のもとで暮らす子どもの数が5年連続で増加しており、2017年にはアメリカ合衆国の1,000人に6人の子ども約443,000人の子どもたちが里親のもとで暮らしているほか、47秒に1人の子どもが虐待または放置され、2015年の子ども虐待事件の約半数が6歳未満の子どもが被害者ということが背景になっている。United States Department of Health and Human Services / HHS(アメリカ合衆国保健社会福祉省)児童局によると、現在約440,000人以上の子どもや若者が里親のもとで暮らしていることも明らかになっている。そして、日本国も例外ではない。厚生労働省によると、日本国では何らかの理由で親と一緒に暮らせない子どもたち(社会的養護を受けている児童)の数は約45,000人、登録里親数約11,730世帯のうち委託されている里親数は4,245世帯、里親のもとで暮らしている児童数は約5,500人、乳児院や児童養護施設等約1,230か所以上に約38,000人が暮らしているが、里親制度が根付いていない現状もある。
セサミワークショップは、思いやりのある大人と子どもの関係づくりを強化し、子どもの外傷体験の影響を軽減するため、専門家とも提携し、里親や子ども、医療提供者によるテスト・実証済みの計画が含まれた資料や教材を提供していく。
A Place For You