TODAY'S HUMAN ≫ NAKAGAMI KOSUKE(ジュエリーデザイナー)——“運命”を感じてジュエリーデザイナーの道へ
ヒトにフォーカスし、ヒトの“いま”を伝え、ひとと人の間・思いを繋ぐグラフプロジェクトです。路上などで撮影した人物のストリートポートレートやインタビューをご紹介します。
今回は、ジュエリーデザイナーのNAKAGAMI KOSUKEさんにフォーカスします。
——ジュエリーデザイナーになろうと思ったきっかけを教えてください。そして、これからどのようなジュエリーをつくっていきたいと考えていますか?
代々受け継がれるようなジュエリーをつくりたい——
高校卒業後、地元の会社に就職し、車のパーツを造ったり、修理をしたりする仕事をしていました。サラリーマンだった親からは“安定した道をいきなさい”“安定しない仕事は家族が悲しむ”ということを言われてきたので就職の道を選びましたが、僕は昔から目立ちたがり屋で他に代わりがいない仕事をしたいと思っていたので、就職後はどこかレールの上を走っていると感じていておもしろくなくなっていき、違うことをしたいなぁと・・・“人生一度きりだから冒険してみたい”“会社で死ぬまで働くのはちょっと違うかな”“お金より大事なことがあるんじゃないかな”と思うようになりました。会社を辞めることについて親に相談したときに、お母さんが泣いてしまって・・・お父さんもすぐに“いいよ”とは言わず・・・でも、両親に僕が“こういう思いがあって、こういう人間になりたいんだ”と時間をかけて説明をしていくうちに、“こうすけの人生なんだから自分で決めなさい”と応援してくれるように変わってくれて——最初はめっちゃ反発されましたけどね。最初は軽い気持ちでモデルの仕事を経験したいと思って2023年に上京し、いざモデルの仕事をしようと思ったときに、東京には格好良い人がいっぱいいて心が折れたというか——俺は敵わないな、上には上がいるな、芸能界では戦っていけないし、勝てないなと思ってやめました。しかも、上京したのはいいのですが、ホームシックになってしまって・・・月1回は帰省して半月は実家で過ごしていました(笑)その後、何をしようかと考えたときに、昔からモノをつくるのが好きで、テレビで見る大工さんや工芸の職人さんに憧れていることに気づきます。職人さんって、自分の代わりがいないんですよね。例えば、サラリーマンは有給で休んだら代わりの人が仕事をしてくれますし、自分が会社を辞めても新しい人が入ってきますし、自分の代わりがいるって嫌だなっていう・・・。僕は、考え方が少し変わっていて、人と違うことが良いと思うタイプなので、職人さんみたいになりたいなと思ったときに、モノをつくるのが好きだし、ファッションも好きだし、デザインをするのも好きだし——“ジュエリーデザイナーになりたい”と思うようになり、ホームシックで帰省していたときに親に相談しようとしたら、自分が言い出す前に母親から「ジュエリー、こうすけは向いていると思うんだけどな」と言われて、そこで運命を感じました!(笑)親は、小さい頃から子どもを見ているから向いているものとかもわかるじゃないですか。いままでやりたいと言ったことに“ダメ”だと言われてきたことが多かったのですが(後から聞くと、僕の覚悟が本気かどうか確かめるために“ダメ”だと言っていたと——“ダメ”と言って諦めるくらいであれば・・・覚悟を見たかったということを言っていました)、初めて一致して背中を押されたことで、安定はしないですけど、自分にしかできない唯一無二でやり甲斐のあるジュエリーデザイナーの道に挑戦し、ジュエリーデザインの勉強を始めました。
気分や時・場所・場合などに左右されない、劣化せずに錆びない、そして高価なので大事にしてもらえるゴールド(金)をベースに、自分の個性を押し出すよりも皆さんに永く使ってもらえるようなシンプルなデザインのジュエリーをつくりたいと考えています。もちろん個性的なデザインのジュエリーもつくりたいのですが、それは二の次ですね。女性が成人式で着る振袖は、よく曽おばあちゃんやおばあちゃん、お母さんから代々受け継がれているという話も聞きますけど、代々受け継がれるものに美しさや良さを昔から感じているので、同じように代々受け継がれるようなジュエリーをつくっていきたいです。後は、ブライダルの結婚指輪もつくりたいんですよ。友達が結婚するときに自分がつくったジュエリーをつけてくれたらめっちゃ嬉しいなと思って!ひとは、名前を完全に忘れられてからが本当の死だと思います。歴史も好きなので戦国武将にも思うことですが、自分が死んだ後も名前や功績が残るのは格好良いですし、先ほど話した成人式の振袖の話にも繋がるのですが、自分がつくったモノを自分が死んだ後も使ってくれる人がいるのは美しい。いずれはブランドを大きくしていき、自分の名前を残していきたいです。まだ決定していないのですが、自分の姓 NAKAGAMIをブランドネームに!
Kosuke Nakagami
NAKAGAMI KOSUKE(なかがみ こうすけ)
BIRTH PLACE|出身
Aichi, Japan
日本国 愛知県
WORK|職業
Jewelry designer
ジュエリーデザイナー
DREAM|夢
自分のジュエリーブランド NAKAGAMIを世界中に広めることです。
MESSAGE|メッセージ
ずっと身につけていたい、長く使いたいと思ってもらえるようなジュエリーを作ります。自分へのご褒美や大切な方へのプレゼントにどうぞ。あなたの思いを形にします。
Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
Camera: Leica M10-R
スヌーピーミュージアムとPEANUTS Cafe SNOOPY MUSEUM TOKYOリニューアルオープンのリポート記事や映像でも「あの格好いいひとは誰!?」「笑顔に癒される!」などの大反響があったNAKAGAMI KOSUKEさん!話していてもピュアで真っ直ぐ、すぐに大好きになった!家族や周囲の愛情をたくさん受けて育ったことがわかる。家族の仲が良いこともあり、昨年2023年に上京してもすぐにホームシックになって頻繁に帰省していたようだが、それはいまでも!何かと帰省している。笑、ヴィジュアルもファッションも格好良く、一見クールなのであまり見せないが、実はかわいい性格。感性や感受性が豊かで素晴らしいのは、言うまでもない。筆者も数年前から連絡を取り合い、何らかの形でSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイに登場してほしい旨をお願いしていたのだが、都内某所で偶然ばったり会ったので再度お願いしてみると、「“運命”を感じるのでぜひ!」と快く受けてくれて、スヌーピーミュージアムとPEANUTS Cafe SNOOPY MUSEUM TOKYOのリニューアルオープンの体験リポートと、今回のTODAY’S HUMANに登場してくれた。出会いやきっかけを“運命”と感じて大事にするところも本当に素敵だ。そんなNAKAGAMI KOSUKEさんに出会いや友だちについて尋ねると、「ひとは、ひとりでは生きていけないですし、自分のために頑張ろうと思うこともありますけど、応援してくれる周りの期待に応えたいというのもあります。人と人の繋がりは、大事ですね。いざというときに助けてくれる人も多いと思うので」と答えてくれた。NAKAGAMI KOSUKEさんの人柄に、誰もが虜になるはず。職人としての伝統や文化の継承、モノ、モノに宿る精神・魂の継承まで考え、次代・後世に繋ぐ、そして死生観にまでおよぶ美的センスも素晴らしく、彼のジュエリーとブランドにも注目したい。筆者も必ず購入させていただく。編集部みんなで応援しているよ!