TODAY'S HUMAN ≫ 戸井田晃典(俳優)——パルクールパフォーマーからパルクールx芝居・演技を駆使する表現者へ
ヒトにフォーカスし、ヒトの“いま”を伝え、ひとと人の間・思いを繋ぐグラフプロジェクトです。路上などで撮影した人物のストリートポートレートやインタビューをご紹介します。
今回は、2018年からSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーとしても参加・活動していただいているほか、パルクールパフォーマーから転⾝し、さらに表現の幅を広げて活躍している俳優の⼾井⽥晃典さんにフォーカスします。
——パルクール*1パフォーマーから俳優に転身したきっかけと、どのような俳優を目指しているのか教えてください。
表現者としてのステップアップと一番尊敬する先輩への憧れ——
中学生の頃からパルクールパフォーマーになるのが夢で、17歳の時にその夢を叶えることができ、お仕事としてパフォーマンスをさせていただきましたが、23歳のときにパフォーマンス中や練習中の大きな怪我が重なってしまったことで新しい技が段々と増えなくなり、パルクールパフォーマーとしてだけで活動することに疑問と不安を感じるようになっていきます。そんなときに、パルクールそのものも好きですが、自分が試行錯誤しながら成長を感じることが好きなのだと気づきました。そして、周りの先輩たちを見ると、パルクールの経験と技術を通して他の業界でも活躍し、貢献している方が多いことにも気づきます。僕もパルクールだけではなく、長い時間をかけて成長しながら“何かに貢献したい”“何かを表現したい”と思うようになり、“ルールのない”パルクールを“正解のない”演技・芝居にプラスすることができたらどのような表現ができるだろう——と、パルクールに演技・芝居もできる表現者を目指すようになりました。僕が一番尊敬する先輩は、パルクールで芸能界(芝居・演技の世界)に入った方なので、その先輩への憧れもあります。いまの目標は、胸を張って「お芝居のお仕事をさせていただいています」と言えるように実力と結果を積み重ねていくことです。これまでの僕に関わっていただいた方に「関われてよかった」「応援してよかった」と少しでも思ってもらえるように。
Akinori Toita
戸井田 晃典(といた あきのり)
BIRTH PLACE|出身
Saitama, Japan
日本国 埼玉県
WORK|職業
Actor / Model / Parkour Performer
俳優 / モデル / パルクールパフォーマー
DREAM|夢
ベランダの広い家に住むのが夢です!笑 普段から部屋の中で過ごすよりも家のベランダで台本を覚えたり、自分の映像や資料をまとめたりする作業をやっているので、ベランダで椅子に座っている時間の方が長いということがあります。将来はベランダの広い家に住んで快適なベランダを作るのが夢です。インドアとアウトドアのちょうど中間、良いところ取りなのが魅力です。笑
MESSAGE|メッセージ
僕が一番大事にしているのは、“面倒臭い”と“嫌”の違いをハッキリ分けることです。これは母から教えられたことなのですが、“面倒臭い”という感情は乗り越えたら自分のためになることが多く(勉強、仕事など)、“嫌”というのは自分のためにならないことが多い(性格の合わない人と関わり続けるなど)ので、自分が何か行動するときはこの考えを元にして決めています。この考えを元に行動していると、自ずと面倒臭いことからは逃げずにこなしながら成長し、必要のないものや関わりが省かれていく——本来のなりたい自分に近づけているような気がします。簡単に言えば“自分の気持ちに正直になる”ということになるのですが、皆さんも自分の気持ちに正直に生きていきましょう!
Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
Camera: Leica M10-R
2018年からSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーとしても参加・活動してくれている戸井田晃典さん。有名海外アーティストのミュージックビデオやポール・スミス(ジャパン)のヴィジュアル&映像に出演するなどの実績を持つパルクールパフォーマーとして活動・仕事をする傍ら、引っ越し業、清掃業、探偵業、葬儀業、カラオケ店、ドアマン・・・と様々なアルバイトも経験し、パルクールもできる俳優へ転身。特殊とも言える幅広いアルバイトも経験し、考え方も現実主義的で極論者、なかなかおもしろい人財である。そんな戸井田晃典さんが物事をどのように捉えて発信していくのかにも興味があり、SAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーに採用させていただいた経緯があった。公式アンバサダーとしての最初の仕事は、あの映画『ボヘミアン・ラプソディ』キャストへのインタビューだった。いきなりの大役であったにも関わらず、臆することなくこなしてみせたのだ。度胸も根性も座っている。今回、彼がインタビューで語ってくれたのは、“一番尊敬する先輩へのラブレター”。その一番尊敬する先輩は、いまは芸能界を引退、幸せな家庭を築き、別の仕事をしているという。戸井田晃典さんは、先輩が見ることができなかった景色を見たい、そして認めてもらいたいという気持ちもどこかにあるのだろう。パルクールという武器、アルバイト(社会)経験を武器に、芝居・演技にもプラスして表現の幅を広げている。今後、個性派としての一途を辿るであろう、注目俳優の1人である。編集部みんなで応援しているよ!