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昆虫の歴史や“なぜ”を網羅した新書『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』—我々は“虫の惑星”に生かされ生きている

昆虫の歴史や生態、多様性がわかる驚異の書籍が発売された!どのような内容になっているの!?記事を読み進めよう!

 
Alien Worlds: How Insects Conquered the Earth and why their fate will determine our future|虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来
書籍『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』
Alien Worlds: How Insects Conquered the Earth and why their fate will determine our future|虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来

スティーブ・ニコルズさんがクワガタを正面から捉えた写真も

今夏、昆虫の生態や進化、多様性に注目が集まる中、新しい昆虫書籍『Alien Worlds: How Insects Conquered the Earth and why their fate will determine our future』(日本語版『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』/日経ナショナル ジオグラフィック)が2024年7月22日(月曜日)に発売された。

 

昆虫書籍『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』は、4億8000万年前に誕生したといわれる虫の起源から、推定1000京匹という膨大な数に至るまで個体数を増やした繁栄の秘密、そして絶滅の警鐘まで、虫の進化史と生態のすべてを網羅した昆虫書籍の決定版。本書の著者で、イギリスのBBC自然史班で勤務した10年を含む30年間に渡って野生生物の映像制作に携わり、トンボに関する博士号を持つ昆虫学者/フォトグラファー/ビデオグラファー/作家のSteve Nicholls(スティーブ・ニコルズ)が撮影した美しい昆虫写真120点と共に、“なぜ、こんなにも数が多いのか”“なぜ、空を飛べるのか”、“なぜ、イモムシがチョウになるのか”——昆虫の“なぜ”が解き明かされる。ページをめくるたびに昆虫たちの驚きの生態に圧倒され、心を奪われること間違いなし。昆虫愛好家はもちろん、生きものの進化や生態に興味のある人、昆虫が苦手な人も楽しむことができるだろう。日本語版は、多くの昆虫愛好家からも絶大な人気を博す昆虫学者で九州大学総合研究博物館 准教授の丸山宗利が監修した。

スティーブ・ニコルズは言う——「2021年の年末、私たちは昆虫の声を伝える偉大な昆虫学者の1人を失った。E・O・ウィルソンが亡くなったのだ。人間による昆虫世界の破壊は、意図的であれ偶発的であれ、結局は自滅行為でもあるということを、ウィルソンは十分にわかっていた。「全人類が消滅するとしたら、世界は1万年前の豊かな平衡状態を取り戻すだろう。昆虫が絶滅するとしたら、環境は大混乱に陥るだろう」それほど重要な存在であるにもかかわらず、ほとんどの人は昆虫の価値をあまり理解しておらず、何か虫を見つけたら躊躇なくつぶしてしまう。それぞれの昆虫には、地球上に複雑に広がる生命の網の中に居場所があることなど考えもしない。昆虫の脳は非常に小さいかもしれないが、最近の研究では、基本的なレベルの意識を生み出せるだけの複雑さを備えていることが指摘されている。だからうるさく飛び回る虫がいても、すぐにつぶそうとするのはやめよう。目の前にいるのは私たちと同じ、感覚を持った生物なのだから。そしてその虫の一族は、私たち人間よりも少なくとも200倍長い時間、この地球上に暮らしてきたのだ。」(同書より抜粋)。

 

地球上に生息する動物の4匹に1匹が甲虫、10匹に1匹がチョウかガ——縦横無尽に身体機能を進化させ、大きな成功を収めた昆虫たちは、その数、110万種、推定1000京匹にものぼる。飛翔を可能にした体、植物と結んだ複雑なパートナーシップ、ずば抜けた繁殖能力、さまざまな子育てのレパートリーに、洗練された社会生活まで、そこには昆虫を地球の真の支配者たらしめた数多くの理由がある。私たち人類は、“虫の惑星”に生かされ生きているのだ。今夏、国立科学博物館(東京・上野公園)ではムシの多様性に迫る特別展『昆虫 MANIAC』が開催されるなど、昆虫の進化や生態、多様性に注目が集まっている。

INFORMATION
Alien Worlds: How Insects Conquered the Earth and why their fate will determine our future|虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来

書籍『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』

虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来
 
蠢く虫が地球を動かす——4億8000万年前の誕生から、1000京匹に至る繁栄、そして絶滅の警鐘までを網羅
 
発売: 2024年7月22日(月曜日)
価格: 3,960円(税込)
著者: Steve Nicholls(スティーブ・ニコルズ)
翻訳: 熊谷玲美
監修: 日本語版 丸山宗利(九州大学総合研究博物館 准教授)
仕様: 640ページ / ソフトカバー / A5判
品番: ISBN: 978-4-86313-599-4
目次: 昆虫の目 / 節足動物と昆虫の系統樹 / 地質時代とさまざまな昆虫の起源 / イントロダクション 昆虫入門 / 1章 群がる大集団 昆虫の種類と数のとてつもない多さ / 2章 起源 昆虫の長い歴史 / 3章 六脚類 脚の進化が与えた足がかり / 4章 昆虫が空を征服するまで / 5章 世界を超える翅 昆虫の渡り / 6章 フラワーパワー 昆虫と植物の複雑な関係 / 7章 交尾をめぐる駆け引き / 8章 次世代 昆虫の子育て / 9章 仲間と暮らす 社会性生物としての昆虫 / 10章 女王とコロニーのために ハナバチとカリバチ 単独性から社会性への道のり / 11章 超個体 アリとシロアリ コロニーからスーパーコロニーへ
発行: 日経ナショナル ジオグラフィック
取扱: Amazon、楽天ブックス、全国の書店、ほか

日経ナショナル ジオグラフィック
https://nationalgeographic.jp
NATIONAL GEOGRAPHIC
https://www.nationalgeographic.com

 

 

©︎ 2023 Steve Nicholls for text and photography Japanese translation rights arranged with Head of Zeus Ltd through Japan UNI Agency, Inc., Tokyo © 2024 Nikkei National Geographic Inc. Japanese text ©︎ 2024 Remi Kumagai

発売前から増刷が決定し、発売後にはAmazonランキングで各部門第1位を獲得している昆虫書籍『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』)!昆虫学者でもあるSteve Nichollsさんが撮影した美しい昆虫写真120点が収録されているということもあって期待して本書をめくると、写真よりも圧倒的に文字が多く、640ページとかなり分厚い!写真120点が少なく感じるくらい、Steve Nichollsさんの昆虫の知見、昆虫に対する熱量が文字で伝わってくるのだ。640ページでもSteve Nichollsさんにとっては猛スピードで昆虫の世界を駆け抜けており、昆虫の歴史や生態のほんの一部である。Steve Nichollsさんが言う「ほとんどの人は昆虫の価値をあまり理解しておらず、何か虫を見つけたら躊躇なくつぶしてしまう。それぞれの昆虫には、地球上に複雑に広がる生命の網の中に居場所があることなど考えもしない。昆虫の脳は非常に小さいかもしれないが、最近の研究では、基本的なレベルの意識を生み出せるだけの複雑さを備えていることが指摘されている。だからうるさく飛び回る虫がいても、すぐにつぶそうとするのはやめよう。」という一文は、昆虫だけでなく、人にも言えることで、日本国でも一部の人は他人の価値を理解しよとせず、他者やよそ者、自分とは異なった人、自分が知らない文化・価値観・物事を恐れ、悪・敵と決めつけ、差別・区別・排除し、武器・暴力・インターネット・公権力(警察)などを利用して潰す傾向にある。同じ人の価値さえわからない者が、昆虫や他の生物の価値などわかるはずがない。本書を通して、人間の愚かさにも気付かされるだろう。昆虫の歴史や生態、多様性を知ると同時に、人にも置き換えて考えてほしい。そして、人間は、すべてに“生かされ生きている”ということに、そろそろ本気で気づき、行動を起こすべきである。

 
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