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スヌーピーミュージアム開館1周年記念展、ピーナッツ・ギャング大集合―徹底ガイド&インタビュー

 
© Peanuts Worldwide LLC

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スヌーピーだけではなく、素敵な仲間たちも知ってほしい―
スヌーピーが中心的な存在として、その関係性の中で仲間の性格がわかる。

アメリカ合衆国からCharles M. Schulz Museum and Research Center(チャールズ M. シュルツ美術館&リサーチセンター)館長のKaren Johnson(カレン・ジョンソン)さんが、第2回展『Hello again, Snoopy』(もういちど、はじめましてスヌーピー。)以来約6ヶ月ぶりに来日したため、“PEANUTS GANG”(ピーナッツ・ギャング)についてやスヌーピーミュージアム開館1周年記念展『PEANUTS GANG ALL STARS!』(ピーナッツ・ギャング・オールスターズ!―ともだちを紹介してよ、スヌーピー。)の見どころをお聞きした。

——お久しぶりです、第2回展以来のインタビューになりますね。

前と少し髪型が変わったわね!今回もよろしくね!

——ハハッ、前回よりちょっと髪が伸びてるかもしれません!笑、はい、よろしくお願いします!まずは、スヌーピーミュージアム開館1周年おめでとうございます。今回の開館1周年記念展『PEANUTS GANG ALL STARS!』(ピーナッツ・ギャング・オールスターズ!―ともだちを紹介してよ、スヌーピー。)にもある“PEANUTS GANG”(ピーナッツ・ギャング)についてですが、アメリカ合衆国では、いつ頃から、そして、なぜ“PEANUTS GANG”(ピーナッツ・ギャング)と呼ばれるようになったんでしょうか?

ありがとうございます!まず、“ギャング”というのは変な意味や悪い意味ではなく、単に“仲間たち”や“グループ”という意味で使っている言葉です。確かなことは断言できないのですが、1920年代から1940年代にかけてコメディ・ショートフィルム『Our Gang』(アワー・ギャング)シリーズが非常に人気があって、おそらくその辺から自然とみんなが“PEANUTS GANG”と呼ぶようになったんじゃないかと思います。

——今回の展覧会のタイトルでもある『PEANUTS GANG ALL STARS!』(ピーナッツ・ギャング・オールスターズ!―ともだちを紹介してよ、スヌーピー。)に込めた思いは何でしょうか?

日本のみなさんはスヌーピーのことはもちろんよく知っているけれど、スヌーピーだけではなく、そのスヌーピーの魅力をさらに引き立てて、明らかにしてくれる素敵な仲間たちがいっぱいいるんだということをみなさんに本格的に知っていただくきっかけになればと思っています。ですので、エキサイティングで魅力的な仲間たちをみなさんに知っていただける、そういう展覧会にしたいと思って、このタイトルをつけました。そして、もう一つ、“オールスターズ”という点についてです。もちろん誰もがスヌーピーにぞっこんなんですけど、スヌーピーだけではなく、その仲間たち、例えば、チャーリー・ブラウン、ルーシー、サリー、ライナス・・・このキャラクターと自分は一番似ているな、自分に一番近いなというキャラクターを選んで重ね合わせることができるということです。

——日本国では、Snoopy(スヌーピー)が先行してフィーチャーされる傾向にあります。第2回展『Hello again, Snoopy』(もういちど、はじめましてスヌーピー。)でもSnoopy(スヌーピー)がフィーチャーされ、Snoopy(スヌーピー)の意外な一面も判明しました。そして、今回の開館1周年展では、Charlie Brown(チャーリー・ブラウン)をはじめとする仲間たちの登場で、Snoopy(スヌーピー)を取り巻く環境やSnoopy(スヌーピー)と仲間たちの関係性、Snoopy(スヌーピー)の本来の立ち位置が見えてくるように思います。Snoopy(スヌーピー)は、“PEANUTS GANG”の中では、どのような存在と言えるでしょうか?

——やはり中心的な存在であり、グループ全体のまとめ役というところもあると思います。もう一つは、ルーシーの場合にはあーしろこーしろと小言がうるさいタイプですが、そのうるさいルーシーの性格の側面を大いに刺激して挑発して引き出すというのがスヌーピーの特性だと思います。ライナスの場合には、いつもライナスのブランケット(安心毛布)を付け狙うということで、ライナスのブランケット(安心毛布)やライナスの性格というのを引き出していったというのがスヌーピーがやってきたことなんです。ですが、漫画全体の進行の中で最終的にいつも中心にいるのは、やはりチャーリー・ブラウンとスヌーピー、男の子とその男の子の犬の関係性。スヌーピーが中心的な存在として、その関係性の中で仲間の性格がはっきりしてくるのかなと思います。

——今回の開館1周年記念展でも厳選された原画の展示になっていると思います。数ある中から、なぜこれらの原画が選ばれたのかを教えてください。

どのような流れで作品や原画を選ぶのかというのを説明した方がわかりやすいかもしれません。チャールズ M. シュルツ美術館では、いままで所蔵してきたコレクション、アーカイヴを管理する担当がいます。草刈大介さんがやって来られて、こういうコンセプトの展覧会をやりたいというご相談をいただき、こちらからも提案をさせていただくんですが、毎回そこで議論をしていきます。だいたいの目安としては、ルーシーを扱う場合は、20本くらいの作品や原画を選んで、そこからまた“これはNO!”、“これはNO!”、“これはNO!”・・・と、最終的に5、6本くらいの作品や原画に絞っていきます。一番重要としていることは、キャラクターの性格の全容がわかるように、色んな側面が明らかになるように選んでいます。そして、最後は必ずJean Schulz(ジーン・シュルツ)さんにご意見を伺います。(笑)

※Jean Schulz(ジーン・シュルツ): 『PEANUTS』(ピーナッツ)原作者/カートゥーニストのCharles M. Schulz(故・チャールズ M. シュルツ)の夫人。現在は、Charles M. Schulz Museum and Research Center(チャールズ M. シュルツ美術館&リサーチセンター)の理事長も務める。

——今回の開館1周年記念展では、世界中で大人気のラッパー/シンガー/ソングライターのFlo Rida(フロー・ライダー)さんが映画『The Peanuts Movie』(邦題:I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE)のテレビ特別番組で着用した衣装が展示されています。展示に至った理由を教えてください。

衣装は、TVショー『The Wendy Williams Show』(ザ・ウェンディ・ウィリアムズ・ショー)の映画『The Peanuts Movie』(邦題:I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE)の特番に出演するフロー・ライダーが『PEANUTS』(ピーナッツ)のキャラクターの格好をするということで、チャーリー・ブラウンの服をモチーフに衣装デザイナーが制作したものです。それを着用してフロー・ライダーが番組に出演しました。後でその衣装をチャールズ M. シュルツ美術館に寄贈してくださったので、ありがたくコレクションに加えました。基本的には草刈大介さんが展覧会のコンセプトを作っているので憶測でしかありませんが、草刈大介さんは、おそらくスヌーピーだけではなく、チャーリー・ブラウンが今回の展覧会の場合にはインスパイアされる、そういった働きかけをしている、そういった影響力を発しているんだということをみなさんに伝えたかったんだと思います(カレン・ジョンソン)。|今回のテーマが「ピーナッツ・ギャング」ということで、スヌーピーよりも、各キャラクターにフォーカスをあてたグッズがあれば良いな、と探していたところ、チャールズ M. シュルツ美術館からタイムリーで変わり種があるけどどう?と提案があったことからも展示に至りました(草刈大介)。

※映画『The Peanuts Movie』(邦題:I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE)では、ラッパー/シンガー/ソングライターのFlo Rida(フロー・ライダー)のアルバム『My House』(マイ・ハウス)に収録されている楽曲「That’s What I Like feat. Fitz」(ザ・ホワット・アイ・ライク feat. フィッツ)が使用されている。20th Fox Television『The Wendy Williams Show』(ザ・ウェンディ・ウィリアムズ・ショー)出演時にも「That’s What I Like feat. Fitz」(ザ・ホワット・アイ・ライク feat. フィッツ)を披露した。

——私も以前にFlo Rida(フロー・ライダー)さんとお会いさせていただく機会があり、その後にFlo Rida(フロー・ライダー)さんの衣装のデザインや制作を手掛けているValeria Alvez(ヴァレリア・アルベス)さんとも友人になったのですが、ヴァレリア・アルベスさんから開館1周年記念展に衣装が展示される話を聞いたんですよ。ヴァレリア・アルベスさんも今回の展示をとても喜んでいましたよ。

Wow! 本当に!?ナイス!もう一つ面白い話があるんですよ!番組であれだけ踊って汗だくになっていたので、ちゃんとクリーニングをしたのかどうかも確認をしなきゃ!と当時盛り上がりましたが、そこはちゃんとクリーニングされていました。(笑)

——ハハハッ!笑、今回の1周年記念展でカレンさんが特に注目してほしいという点を教えてください。

2つあります。まずは、一人ひとりのキャラクターについてしっかりとみなさんに知っていただければと思います。ですので、リランはどんな子なのかやサリーはどんな子なのか、そういうことについて知っていただきたいです。もう一つ注目していただきたいのは、Mr. Schulz(ミスター・シュルツ)がどういう風にキャラクターを描いていたのか、どんな技法、スタイル、道具を使って描き続けたのかも知っていただきたいと思います。今回は年代を超えて幅広く網羅しています。そちらも楽しんでいただけると思います。

——日本国の『PEANUTS』(ピーナッツ)ファンやSnoopy(スヌーピー)ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

ただただ心からひたすらにみなさんの愛と応援をありがたく思っていることをもう一度改めてお伝えしたいと思います。本当に長年に渡ってみなさんがスヌーピーとその仲間たちを大切に思ってくださっていること、そして、喜びや笑いを広げ続けていく仲間たちを支えてくださっていることに私たちは感謝しています。これからもよろしくお願いします。

——カレンさん、素敵なお話をありがとうございました!草刈さんもコメントをありがとうございました!

Thank you! じゃまた次回も会いましょう!

KEYPERSON

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Karen Johnson (カレン・ジョンソン)

Charles M. Schulz Museum and Research Center(チャールズ M. シュルツ美術館&リサーチセンター)館長。過去には、ビジネス、行政機関、非営利組織での管理部門を歴任。アメリカ合衆国カリフォルニア州ソノマ郡ボランティアセンターやニューヨークのがん患者とその家族をサポートするNPO組織「ギルダーズ・クラブの運営も手掛けた。2005年にCharles M. Schulz Museum and Research Center(チャールズ M. シュルツ美術館&リサーチセンター)の2代目館長に就任。美術館のボランティアを増やすなど地域との関わりに貢献する活動も行ってきた。

 

KEYPERSON
草刈 大介 (くさかり・だいすけ)

スヌーピーミュージアム クリエイティブ・ディレクター。朝日新聞社で展覧会事業を担当。絵画、絵本、漫画やアニメーション、デザインなどの展覧会に関わる。2013年に東京・森アーツセンターギャラリーで開催された展覧会『Ever and Never: the art of PEANUTS』(スヌーピー展 しあわせは、きみをもっと知ること。)を担当。

 

※スヌーピーは、通常はスヌーピーミュージアムには不在です。

 

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