世界を掴み、ディズニーも認めたカズ・オオモリの才能と信用に迫る—夢を諦めず こうなりたいと思い続け 腐らずにやり続ける
——ポスターポッセは、どんな組織ですか
組織というよりは、チームという感じです。アメリカにエンターテインメントのニュースや情報、ポップカルチャーを紹介・配信する『Blurppy』(『ブラッピー』)というウェブサイトがあるのですが、そのウェブサイトを運営しているDon Thompson(ドン・トンプソン)が、イラストレーターなどのアーティストを集めて、色々なプロジェクトに沿ってアートワーク、ポスターアートやトリビュートアートを手掛けるチーム、エージェンシーとしてポスターポッセを創設しました。ウェブサイト『Blurppy』は、いままでも色々な取材をしていたので、ロサンゼルスにある有名な映画製作・配給会社やスタジオとの繋がりも深く、ライセンス上のこともしっかりとした上でオフィシャルでプロジェクトをこなしています。いまは、確か50人くらいのアーティストが在籍しているのではないでしょうか。
——日本人は、Kazさんお一人ですか
僕1人です。アジア系のアーティストもいないですね。
——ポスターポッセに所属してから、日本国だけではなく、世界をベースにエンターテインメント関連のアートワークを手掛けるようになったのですか
そうです。ポスターポッセに所属したのは、帰国からかなり経ってからですので、最近のことなんですよ。
——ディズニーやピクサー、マーベル、ルーカスフィルムなどのイラストを手掛けるようになったのはいつ頃からですか
4年前くらいです。ディズニー映画『Big Hero 6』(邦題『ベイマックス』)のアートワークが単独で採用されたのが最初ですね。ポスターポッセでも色々なプロジェクトがある中で、ポスターポッセ所属アーティストの中から厳選された10人のみがディズニー映画『Big Hero 6』(邦題『ベイマックス』)のアートワークを提出することができ、その中から1人のアートワークがディズニーから採用されることになっていました。その10人の1人に選んでいただいたので、アートワークを提出させていただいたら、ある日、ポスターポッセ副社長/共同オーナーのRebecca Thompson(レベッカ・トンプソン)から「Kaz、おめでとう!Kazのアートワークがディズニーから採用されたよ!」と連絡があり、その後、フィックスしたり、ポスター用に直したりして、ポスターになりました。
このディズニー映画『Big Hero 6』(邦題『ベイマックス』)のポスターアートは、New York Comic Con 2014(ニューヨーク・コミコン2014)のディズニー新作発表記者会見で配布されました。
——ディズニー映画『Big Hero 6』(邦題『ベイマックス』)は、アメリカ合衆国のサンフランシスコと日本国の東京を合わせた“サンフランソウキョウ”が舞台であったり、ストーリーにも日本国の文化が色濃く出ていたりするということもあり、Kazさんの採用になったというのもあるのでしょうか