世界を掴み、ディズニーも認めたカズ・オオモリの才能と信用に迫る—夢を諦めず こうなりたいと思い続け 腐らずにやり続ける

色々なお仕事をさせていただきました。エンターテインメント関連の仕事ですと、日本の某テーマパークがオープンした当時のリーフレットの表紙も手掛けました。当時、まだオープンしていない時期で半年後にオープンするということだったので、いまこそメジャーになりましたが、ゲートなども当然できていない状況です。そんな中、図面と素材の資料だけが送られてきて、おそらく完成はこんな感じだろうというのをエアブラシを使って超リアルな絵で描きました。他にも元・プロサッカー選手の中田英寿さんの写真集のイラストレーションを手掛けたり、映画雑誌でイラストレーションの連載をしたりしていました。

——あの某テーマパーク関連のアートワークを手掛けていたというのは驚きです。映画雑誌は、どれくらいの期間連載されたのですか

4年くらいです。これには面白いエピソードがあります。もうぼちぼち原稿がメールで送られてくる頃かなと思ったときに来なかったんですよ。編集部に電話をしたら・・・映画ライター2人の対談形式のコラムに僕のイラストレーションも掲載されていたのですが、ちょうど映画『The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring』（邦題『ロード・オブ・ザ・リング』）の制作中で特集を組むためにどちらかのライターが現地取材をすることになったらしいのですが、どちらが行くかで大喧嘩になったそうなんです。それが原因で、コラムの連載がなくなってしまい、僕のレギュラーの仕事もなくなりました（笑）。すごく楽しい仕事だったのですが・・・。

——最悪ですね・・・映画、特に洋画を取り巻く人たちにありがちというか・・・私も現場にいてよくわかりますが、特に日本国では、映画、特に洋画を取り巻くヒト＝映画系のジャーナリストやライター、ニュース・情報配信サイト運営者、配給・宣伝担当者の一部には嫉妬深い人やネチネチした人も多く見られますし、自分の好きな作品や俳優、キャラクターを自分のものだけにしたがる勘違いした人も多くいます。映画もしかりですが、エンターテインメントは、誰のものでもない、すべての人のためのものなのに・・・。作品を色んなアプローチの方法で宣伝してヒットさせなければいけない配給や宣伝の担当者の中にもパブリシティのコントロールや管理という名目で我が物にしている人もいますし、作品に全く関係のない芸能人やインフルエンサーに頼っている場合も・・・閉鎖的、排他的なので、マーケティングができていない、マーケティングになっていません。日本国の洋画を取り巻く環境は、一般の方や消費者にも見えてしまっていて、国内での興行収入が伸びない要因の一つにもなっています。誰かが気付いて環境や関係者の考え方を変えなければいけないと思いますよ。そういう中での仕事は大変ですよね。

——Kazさんが所属されているポスターポッセというエージェンシーについてお聞きしたいのですが、ポスターポッセにはアメリカ合衆国滞在中に所属したのでしょうか

アメリカにいる頃は、まだ所属していませんでした。いまから5、6年前、僕のポートフォリオを掲載しているウェブサイトを見たポップカルチャーやギークアートを紹介しているフランス共和国のGEEK-ART（ギーク-アート）というウェブサイトを運営している方から日本のエンターテインメントやオタク文化に興味があるとのことで連絡があり、その後、ポスターアートを制作してみないかということで機会をいただきました。

それが映画『Hellboy』（邦題『ヘルボーイ』）のポスターアートとグラフィックを手掛ける機会になり、そのポスターがギーク-アートのウェブサイトで販売されました。

© 2008 Universal Studios

その後に映画『Alien』（邦題『エイリアン』）シリーズのポスターアートを手掛けてギーク-アートのウェブサイトで販売されました。ギーク-アートのウェブサイトで、この作品を見たポスターポッセから連絡をいただき、ポスターポッセと繋がりました。

© Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

© Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.