愛され続けるキース・ヘリングを体感「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」—作品と向き合い、あなた自身が意味を考える
展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が東京・森アーツセンターギャラリーで開催されている!どのような展覧会になっているの!?記事を読み進めよう!
アフリカ系(黒人)のストリートダンスと社交ダンスの誕生300周年を記念して1985年の黒人歴史月間にニューヨークの芸術劇場 Brooklyn Academy of Music(ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)で上演された舞台『Sweet Saturday Night』(『スウィート・サタデー・ナイト』)のための舞台セットは、ダンス・パフォーマンスの舞台背景として制作。本作は、横幅6mを超える大画面いっぱいに黒い線でダンサーが踊るように描かれており、フィナーレにこの作品の前でパフォーマンスをしたダンサーのRory Mitchell(ローリー・ミッチェル)によるブレイクダンスが作品に息を吹き込んだ。
1984年にトニー・シャフラジ・ギャラリーで開催された個展のポスター。ブラック・エクセレンスの象徴で、当時から第一線で活躍するダンサー/コレオグラファー/演出家/作家のBill T. Jones(ビル・T・ジョーンズ)の体と褐色の肌をキャンバスにし、白い絵の具で4時間以上にわたってキース・ヘリングがペインティング、キース・ヘリングの友人で彼の活動を撮影し続けた写真家のTseng Kwong Chi(ツェン・クウォン・チ/1950 – 1990)が撮影。3人のアーティストのコラボレーションにより、魔法のように芸術的なモノクロ写真が完成し、さらにキース・ヘリングはオリジナルの写真をオフセット印刷した上でボディに赤い色を加え、展覧会のポスターに仕上げた。
ラリー・レヴァンによるパラダイス・ガラージでのライヴ音源を収録したレコード「Garage」(ガラージ)やシンガー/ソングライター/ミュージシャン/俳優のDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ/1947 – 2016)が1983年に発売したシングル「Without You」(ウィズアウト・ユー/アルバム『Let’s Dance』(『レッツ・ダンス』に収録))レコードのジャケットなども手がけた。
1986年に発表したシルクスクリーンによる版画作品《アンディ・マウス》。丸い大きな耳にサングラスが特徴的なこのキャラクターは、キース・ヘリングが幼少時から影響を受けたミッキーマウスとポップアートの代表的な作家であるアンディ・ウォーホルの融合体。本作は、アンディ・ウォーホルとの貴重なコラボレーション作品でもあり、アンディ・ウォーホルの銀髪を再現したシルバーグレーなど豊かな色彩が鮮明に発色され、商業印刷から導入されたシルクスクリーンという技法を巧みに用いていることがわかる。サングラスをかけたアンディ・マウスは、資本主義に翻弄される私たちを嘲笑っているかのようにもみえる。
展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は、Keith Haringの作品約150点が集結。Keith Haringの活動初期を語る上で欠かせない重要な作品であるSubway Drawingも日本国初公開を含む保存状態の良い7点が公開されている。Keith Haringは自身を開放・解放し、アートを日常に拡散させたことで、作品を見る者が新たな解釈や意味を考え作品に与える——作品を通してKeith Haringと見る者、そして見る者同士がコミュニケーションを取る=影響を与え合う。彼が目指したヴィジュアルコミュニケーションを本展でも体感することができる。彼の開放・解放、開放感・解放感のある作品は、あなたに安心感や共感も与えるだろう。本展のスペシャルコンテンツとして、「ヘリングの時代」をテーマに藤原ヒロシ氏によるスペシャルプレイリストがSpotifiで公開されている。Keith Haring氏がジャケットを手がけたDavid Bowie氏のシングル「Without You」やPeech Boysのシングル「Life is Something Special - Special Edition」、さらにはKeith Haringが体にペインティングをしたGrace Jones女史の「I’m Not Perfect (But I’m Perfect For You」なども!本展と併せてチェックを!本展の内覧会に出席したSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの安西凌河さん(学生)は、本展について「1970年代、1980年代って良いですよね!そんな時代に活躍したキース・ヘリングの世界観とメッセージに深く触れることのできる展覧会でした!サブウェイ・ドローイングをまとめて見ることができるのもとても貴重です。キース・ヘリングの描写も展覧会の展示の方法もユニークで、普段アートに触れていない人でも飽きることなく最後まで楽しむことができると思います。グッズもとても豊富、どれも可愛くて僕も買わせていただきました!素敵な思い出を持ち帰ることができました」と感想をコメントした。Keith Haringとは何者か——彼のメッセージとは——ぜひ、会場で体感してほしい!