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愛され続けるキース・ヘリングを体感「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」—作品と向き合い、あなた自身が意味を考える

展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が東京・森アーツセンターギャラリーで開催されている!どのような展覧会になっているの!?記事を読み進めよう!

 
Keith Haring Art to the Street|キース・ヘリング展 アートをストリートへ
SAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの安西凌河さん(学生)の背後には《キース・ヘリング》ツェン・クウォン・チ/1987年 Keith Haring Artwork ©︎ Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

日本国初公開の作品のうち2点を出品したタッカー・ヒューズは、当時のニューヨーカーが受けたキース・ヘリングと作品の印象について「1980年代にキース・ヘリングが現れたとき、これまでのグラフィティとは違ってパワフルでユニークだったのでニューヨーカーは感激していたと思います。ニューヨーカーもパワフルに彼と彼の作品を受け入れたという感じです。彼が有名になったのは、ギャラリーのオーナーやアート界の評論家が発掘したからではなく、毎日2万人くらいの地下鉄利用者が彼の作品を見たことで有名になっていったので、反応はとてもポジティブでした」と語り、続けて「これはとても重要なことですが、他のグラフィティアーティストは地下鉄の車両に直接描いて破壊行為をしていましたが、キース・ヘリングは空いている広告板の黒い紙にチョークで描いたということです。公共物を損壊したり、永久に残したりするものではなかったこともニューヨーカーに受け入れられた理由です」と、他のグラフィティアーティストとは一線を画したグラフィティの方法も多くの人々に受け入れられた理由の1つだと説明。また、「時々警察に捕まっていたのですが、捕まえる側である警察の中にも彼のアートを好きな警察官がいました」と、人種や階級、性別、職業に関係なく“ここに描けばあらゆる人が自分の作品を見てくれる”と考えたキース・ヘリングの狙いは的中し、活動初期から幅広い人々に知られ、いまも世界中の人々に愛され続けている。サブウェイ・ドローイングをコレクションしていた当時を振り返り「サブウェイ・ドローイングは次の広告が掲示される1日で消えてしまうので、私は午前2時に起きて、作業員風の(作業員を装った)オレンジ色のベスト着て、帽子を被り、少し時間をかけて(このようにヘラで)サブウェイ・ドローイングを剥がし、作品を丸めてベットカバーに包んで持って帰りました。ニューヨーク、ダウンタウンのアート&カルチャーシーンに参加したつもりでいました」と、地下鉄駅構内でサブウェイ・ドローイングを剥がしてコレクションをしていた当時の格好や様子も再現してみせた。1984年には、キース・ヘリングにインタビューもしており「キース・ヘリングが自分自身のアートに真剣に取り組んでいること、彼のアートはみんなのためのものであることがわかりました」と締め括った。

Keith Haring|キース・ヘリング第2章 Life and Labyrinth

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題》 1983年/シルクスクリーン、紙/106×127cm/中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

人生は儚い。それは生と死の間の細い線です。私はその細い線の上を歩いています。ニューヨークに住んで、飛行機で飛び回っているけれど、毎日死と向き合っているのです——キース・ヘリング(1986年7月7日)

HIV/AIDSの蔓延は社会に暗い影を落としはじめていたが、ペンシルベニア州ピッツバーグの田舎から出てきたキース・ヘリングにとって、ニューヨークはゲイ(LGBTQIA+)カルチャーも華やいでいる刺激的な場所だった。混沌と希望に溢れるこの街で解放されたキース・ヘリングは、生の喜びと死への恐怖を背負い、約10年という限られた時間に自らのエネルギーを注ぎ込んでいく。アーティストのJean Dubuffet(ジャン・デュビュッフェ/1901 – 1985)、画家のPierre Alechinsky(ピエール・アレシンスキー)、小説家/作家のWilliam Seward Burroughs II(ウィリアム・S・バロウズ/1914 – 1997)、そしてアーティストの独立性を主張した作家のRobert Henri(ロバート・ヘンライ/1865 – 1929)のマニフェスト『The Art Spirit』(『アート・スピリット』)に影響を受け、独自の表現を推し進める中でアフリカの芸術から着想を得た表現なども確立していく。

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

Keith Haring Artwork ©︎ Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《バッド・ボーイズ》、《バッド・ボーイズ》(テキスト) 1986年/シルクルクリーン、紙/中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

 
Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題》 1983年/シルクスクリーン、紙/106×127cm/中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題》 1983年/シルクスクリーン、紙/106×127cm/中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

画家のFrancis Bacon(フランシス・ベーコン/1909 – 1992)やジャン=ミシェル・バスキアの展覧会も手がけた1980年代のソーホーの大手画廊 Tony Shafrazi Gallery(トニー・シャフラジ・ギャラリー)より1983年に出版された版画シリーズ。本作は、蛍光インクが使われており、ブラックライトによって光を放つ。このシリーズには、ピラミッドやアンクの十字架など生命のシンボルが描かれ、光り輝く妊婦やダンスの動きが盛り込まれることで、母親たちの強さを讃えているといえる。身体の動きを表現する線“アクションライン”が効果的に使われているのもわかる。

 

All Keith Haring Artwork ©︎Keith Haring Foundation ©︎ Keith Haring Foundation. Licensed by Artestar, New York.
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展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は、Keith Haringの作品約150点が集結。Keith Haringの活動初期を語る上で欠かせない重要な作品であるSubway Drawingも日本国初公開を含む保存状態の良い7点が公開されている。Keith Haringは自身を開放・解放し、アートを日常に拡散させたことで、作品を見る者が新たな解釈や意味を考え作品に与える——作品を通してKeith Haringと見る者、そして見る者同士がコミュニケーションを取る=影響を与え合う。彼が目指したヴィジュアルコミュニケーションを本展でも体感することができる。彼の開放・解放、開放感・解放感のある作品は、あなたに安心感や共感も与えるだろう。本展のスペシャルコンテンツとして、「ヘリングの時代」をテーマに藤原ヒロシ氏によるスペシャルプレイリストがSpotifiで公開されている。Keith Haring氏がジャケットを手がけたDavid Bowie氏のシングル「Without You」やPeech Boysのシングル「Life is Something Special - Special Edition」、さらにはKeith Haringが体にペインティングをしたGrace Jones女史の「I’m Not Perfect (But I’m Perfect For You」なども!本展と併せてチェックを!本展の内覧会に出席したSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの安西凌河さん(学生)は、本展について「1970年代、1980年代って良いですよね!そんな時代に活躍したキース・ヘリングの世界観とメッセージに深く触れることのできる展覧会でした!サブウェイ・ドローイングをまとめて見ることができるのもとても貴重です。キース・ヘリングの描写も展覧会の展示の方法もユニークで、普段アートに触れていない人でも飽きることなく最後まで楽しむことができると思います。グッズもとても豊富、どれも可愛くて僕も買わせていただきました!素敵な思い出を持ち帰ることができました」と感想をコメントした。Keith Haringとは何者か——彼のメッセージとは——ぜひ、会場で体感してほしい!

 
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