特別企画「大安寺の仏像」が来年1月より東京国立博物館で開催—日本仏教の源流・大安寺の歴史と奈良時代の貴重な木彫像を紹介
奈良・大安寺の歴史と奈良時代の貴重な仏像(木彫像)をまとめて観ることができる展覧会が東京国立博物館で開催される!どのような展覧会になるの!?記事を読み進めよう!
日本仏教の源流と言える奈良・大安寺の歴史と奈良時代の木彫像を紹介する特別企画「大安寺の仏像」が、来年2023年1月2日(振替休日・月曜日)より東京・東京国立博物館 本館11室で開催される。
本展は、大安寺に伝わる奈良時代につくられた木彫の仏像群である、均整のとれた美しいプロポーションに優れた造形感覚がうかがえる重要文化財《楊柳観音菩薩立像》、重要文化財《四天王立像》・顔は大ぶりで鼻も高く、目を少し瞋らし口を固く結んでいる《持国天立像》・顔は丸く、引き締まった表情で瞋目し、厚い肉付けをもつ両頬、一文字に結んだ口元など力強い忿怒相を示すが、むしろもの静かな感じを与える《増長天立像》・口を開き、歯をあらわす忿怒相は他像にない特徴の《広目天立像》・体は重厚感に富み、甲や靴には装飾的な文様が刻まれている《多聞天立像》、木の重厚さを生かした量感ゆたかな体つきが特徴の重要文化財《不空羂索観音菩薩立像》、胸や腕の華やかな飾りは体と同じ木から彫り出されている重要文化財《聖観音菩薩立像》などを展示し、大安寺の歴史と仏像を紹介する。
奈良時代の木彫像は現存作例が少なく、平安時代以降に仏像の素材として主流となる木でつくられた先駆的な存在として貴重で、いずれも一木造、優れた身体表現や細やかな彫りに奈良時代の木彫像の特色が表われており、本展では大安寺の仏像を東京でまとめて観ることができる貴重な機会となる。
大安寺は、国家によって造営された日本国最初の国立寺院。前身寺院は、国家の寺院のなかでも最も重要であることを意味する大官大寺という名で、その後、8世紀初めの平城京遷都に伴って現在の地に移され、やがて大安寺と呼ばれる。奈良時代から平安時代前半までは、朝廷の保護を受けた南都大七寺の1つで、奈良・東大寺や奈良・興福寺と並ぶ大寺だった。中国、インド、ベトナムなどから来日した著名な僧侶たちが住んで教えを伝えるなど、国際色豊かな環境で多くの優秀な僧侶たちを育てた仏教研究の中心拠点として栄え、日本仏教の興隆に重要な役割を果たした。現在は、病気平癒・癌封じの寺としても有名。
特別企画「大安寺の仏像」は、来年2023年1月2日(振替休日・月曜日)から3月19日(日曜日)まで東京・東京国立博物館 本館11室で開催される。
会期: 2023年1月2日(振替休日・月曜日)から3月19日(日曜日)
時間: 9時30分から17時00分(入館は閉館の30分前まで)
休館: 月曜日・1月10日(火曜日)・2月7日(火曜日)、但し1月2日(振替休日・月曜日)・1月9日(祝日・月曜日)は開館
会場: 東京・東京国立博物館 本館11室(東京都台東区上野公園13-9)
料金: 総合文化展料金 一般 1,000円(税込) / 大学生 500円(税込) / 高校生以下・満18歳未満・満70歳以上・未就学児 無料 ※入館の際に年齢がわかる証明書要提示 / 障がい者手帳等をお持ちの方と同伴される介護者1名 無料 ※入館の際に障がい者手帳等要提示
注意: 情勢によりやむを得ず、会期や開館時間等に変更が生じる場合や、休館となる可能性もあります。最新情報、詳細、注意事項を公式サイトにて必ずご確認ください。
お問い合わせ: ハローダイヤル 050-5541-8600
特別企画「大安寺の仏像」は、大安寺に伝わる仏像群を東京でまとめて観ることができる貴重な機会!大安寺の前身寺院である大官大寺、そして8世紀初めの平城京遷都に伴って現在の地に移った後の大安寺は大伽藍を持ち、南都大七寺の1つで、東大寺や興福寺に並ぶ大きな寺院だった。いまでは、病気平癒・がん封じの寺としても有名で、本尊の十一面観音立像は秘仏(10月1日(土曜日)から11月30日(水曜日)まで特別開扉)、馬頭観音立像も秘仏である(※本展で本尊・秘仏の公開は予定されていない)。本展の会期中は、大安寺の僧侶が会場に駐在し、書き置きの記念御朱印に日付を入れて授与していただけるほか、東京・奈良まほろば舘でも大安寺の貫主や副住職、東京国立博物館の研究員によるトークイベントが開催される。