展覧会『「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった』が開幕—初公開を含む貴重な資料約200点以上を展示
スタジオジブリのプロデューサー 鈴木敏夫氏に焦点を当て、スタジオジブリの原点を振り返る展覧会が開催されている!どのような展覧会になっているの!?記事を読み進めよう!
鈴木敏夫は、雑誌『アニメージュ』の編集を通じて、名作『太陽の王子 ホルスの大冒険』を生み出した中心人物である映画監督/アニメーション演出家/プロデューサーの高畑勲監督と映画監督/アニメーター/漫画家の宮崎駿監督に出会い、『アニメージュ』1981年8月号には宮崎駿監督の特集を31ページに渡ってに掲載。これを機に、『アニメージュ』は高畑勲監督と宮崎駿監督らに寄りそう路線をとる。いままで紹介されることが少なかった貴重なレイアウトや原画、美術ボードなどが、作り手が『アニメージュ』でどのように紹介されてきたのかという視点で展示され、『アニメージュ』1982年2月号の原作マンガ連載開始から1984年の映画『風の谷のナウシカ』誕生までの道のりを振り返ることができるようになっている。さらに徳間書店制作の映像作品もまとめて紹介されており、『アニメージュ』から映像制作が始まったことがわかるようになっている。
本展では、「風の谷のナウシカ」のセル画が初公開されているほか、鈴木敏夫が特に力を入れた、映画監督/アニメーション演出家/小説家/脚本家/漫画原作者/ゲームクリエイターの押井守監督が手掛けたアニメ『天使のたまご』の貴重な資料も展示されている。『風の谷のナウシカ』のセル画には、残された線画の跡や細かな色指定も見ることができる。
竹谷隆之の制作による“風使いの腐海装束”と“巨神兵”
威風堂々たるナウシカがそこにいる!本展のために、映画『シン・ゴジラ』など数々の作品でキャラクターデザインや造形監修を務める造形師の竹谷隆之が、宮崎駿監督が書いた設定資料を元に“本物”にこだわり、ディテールまで精巧にこだわりぬいて制作した『風の谷のナウシカ』の“風使いの腐海装束”、“長銃”、“蟲笛”、“瘴気のマスク”、携帯品が初公開されている。実際に携帯品のランプも光り、望遠鏡もピント調整して使えるようにつくられている。
2012年開催の展覧会『館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』で公開された特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』の巨神兵の雛形造形を手掛けたことでも知られる竹谷隆之が、本展に展示されている巨神兵(の死骸)も制作。巨神兵が朽ち果てた後、何年、いや、何十年、何百年も経った様子がリアルに再現されており、カビが生え、棘、ウシアブもいる。よく見ると、リアルすぎて鳥肌が立ってしまうほど。
アニメやマンガの“オタク”“マニア”と呼ばれる人たちだけではなく、少しでも日本国のテレビアニメやアニメ映画に触れてきたすべての人が、雑誌『アニメージュ』についてや、スタジオジブリとその作品の原点を知り、楽しむことができる本展。会場では、竹谷隆之氏が制作した“風使いの腐海装束”や“巨神兵”等、一部の展示物の写真撮影も可能!音声ガイドでは、島本須美女史と高橋望氏が話す展示の見どころや当時のアニメにまつわるエピソード、ウラ話を聞くことができるほか、映画『風の谷のナウシカ』のナウシカや映画『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスの名ゼリフも収録されているので、音声ガイドを聞きながら鑑賞しよう!青色の毛並みのテト、王蟲、トトロ、キキのぬいぐるみは、可愛かった!ん、待て、王蟲は・・・。笑、