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がまくんとかえるくん誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展が開幕—ぼくらはどこまでもそれぞれ一人ひとり そしていっしょ

“がまくんとかえるくん”シリーズで知られる絵本作家のアーノルド・ローベルの展覧会が日本国で初めて開催されている!どのような展覧会になっているの!?記事を読み進めよう!

 
企画展『「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展』
©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

高校卒業後、ニューヨーク市ブルックリンにある美術系の学校Pratt Institute(プラット・インスティテュート)に入学し、本のイラストレーションを専攻。卒業後は、まだ絵本作家やイラストレーターとして生計を立てることができず、広告や業界紙のイラストレーションを手掛けた。1955年、学生時代に出会い、同じプラット・インスティテュートに通っていたAnita Kempler(旧姓:アニタ・ケンプラー(アニタ・ローベル))と結婚し、ニューヨーク市ブルックリンに定住。同じ絵本作家/イラストレーターでもあるアニタ・ローベルとはスタジオで一緒に働き、いくつかの絵本を一緒に手掛ける。アニタ・ローベルとの間には、娘のAdrianne Gale Lobel(エイドリアン・ローベル)と息子のAdam S. Lobel(アダム・ローベル)2人の子どもを授かり、絵本作家/イラストレーターとしても順調にキャリアを重ね、順風満帆に暮らしていた。しかし、1974年、彼は自身が同性愛者であることを家族にカミングアウトし、アニタ・ローベルや子どもたちと別居。その後、ニューヨーク市マンハッタンのグリニッチビレッジで過ごしたが、AIDS(エイズ)を患って入院、闘病し、心停止によって1987年に54歳という若さで亡くなった。

1960年頃からプロフェッショナルの絵本作家/イラストレーター(自身では絵本作家やイラストレーター、アーティストではなく、空想家と自称していた)としてキャリアを重ね、生涯を通して子どもたちのための100冊以上の絵本と、そのほか絵を手掛けた。絵本は、世界中で様々な言語に翻訳され、出版。絵本のほとんどの主題は自身が大好きな動物を頻繁に使用し、動物の性質や特徴をリアルに描写して擬人化、自身の実体験や空想を膨らませてお話や絵を作った。権威ある数々の児童書・児童文学の賞も受賞している。

アーノルド・ローベルと作品を知る

企画展『「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展』

Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. © Adam Lobel. ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

本展覧会では、アーノルド・ローベルが手掛けた作品は107冊と紹介されており、そのうちの35作品がお話と絵を、ほかの72作品は絵のみを手掛けたとし、アーノルド・ローベルのことと、アーノルド・ローベルのお話と言葉、絵を知ることができる。言い換えればアーノルド・ローベルのことを知る、貴重な原画やレイアウト、スケッチを通して作品を見る・読むことができるという2つの楽しみがある。人柄や生き方、考え方、作品に結びつくようなアーノルド・ローベルの言葉「僕はきみで、きみは僕」「ここがきみの居場所」「ねぇ、お話を聞きたいかい?」「僕は舞台監督で、衣装デザイナーで、幕を引くもの」「お絵描きはデザート、お話づくりはホウレン草」「変わりものと呼ばれても」「お説教はまっぴら」「きみがいてくれてうれしいよ」が各章のタイトルになって紹介されているので、各章のバナーも読んでほしい。

アーノルド・ローベルの仕事

企画展『「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展』

『ぼうしの上にまたぼうし』(1985)扉絵原画・原画、他 Collection of The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Gift of Adrianne and Adam Lobel, The Estate of Arnold Lobel. © 1985 Arnold Lobel. ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

展示の前半部分は、5つの章で構成され、“がまくんとかえるくん”シリーズ以外の作品の原画やレイアウト、スケッチなど約100点以上が展示されている。

 

Organized by The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Amherst, Massachusetts, United States. Courtesy of The Eric Carle Museum of Picture Book Art, © The Estate of Arnold Lobel.
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アーノルド・ローベル展は、絵本に関するここ最近の展覧会の中でも上位をいく素晴らしい展覧会!Arnold Lobel氏のことを知る、貴重な原画やレイアウト、スケッチでお話を読んでいくという贅沢な体験はもちろん、特に加藤久仁生氏が手掛けた“がまくんとかえるくん”史上初のアニメーション映像は、本当に何時間でも何度でも見ていられるくらい天才的な作品だった。小学生の頃に読んだ「おてがみ」も懐かしく、久々に読んで温かい気持ちに!当時はただの国語の教科書と授業としか思わなかったけど、この年になって改めて読むと、素晴らしい作品だということに気付く。いま、世界的な新型コロナウイルスによる感染症のパンデミックや日本国政府による新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言によって外出自粛などの制限を強いられている中で、色々なことを考え、悩み、孤独、淋しさ、不安を感じている方も多いと思うが、そういう方も是非、感染予防対策をして、また無理をせずに緊急事態宣言解除後にでもアーノルド・ローベル展に足を運んでほしい。きっと、ほっとし、ほっこり温かく優しく穏やかな気持ちになり、勇気づけられ、元気になるはず!そして、Arnold Lobel氏と同じ時期に創作活動を続けた『The Very Hungry Caterpillar』(邦題『はらぺこあおむし』)でも知られるEric Carle氏の常設展『エリック・カール 遊ぶための本』、アーノルド・ローベル展に関連したワークショップも開催されているPLAY! PARKも併せて楽しんでね!

 
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