過去最大規模で上陸した展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕—強烈なメッセージ性溢れる作品が衝撃と気付きを与える
遂に日本国でのBanksy Yearがスタート!過去最大規模で上陸した『バンクシー展 天才か反逆者か』の全貌と見どころはいかに!?プロデューサー兼キュレーターが語ったこととは!?記事を読み進めよう!

この『Save or Delete』(『セーブ・オア・デリート』)は、時に過激な活動を展開する自然保護団体グリーンピースとコラボレーションし、森林を救い、守る目的で制作された。かつて森林だった場所で、死刑執行人のような格好をした木こりを前に、ディズニー・アニメーション映画『The Jungle Book』(邦題『ジャングル・ブック』)の主人公Mowgli(モーグリ)とキャラクターたちが目隠しをされ、縄で縛られている。リサイクル紙を用いたポスターやポストカード、ステッカーなども作られたが、ディズニーとの法的紛争に発展し、ほとんどが返品され、リサイクルされたようだ。自分たちの利益のために森林を破壊し、地球に向かって考えなしに死刑を宣告する冷たい死刑執行人(木こり)を表現したと考えられる。
Destroy Capitalism (festival)

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
この『Destroy Capitalism (festival)』(『デストロイ・キャピタリズム』(フェスティバル))は、ベビーカーを持つ若い母親やパンクス、ヒッピー、フーリガン、左翼的学生という反資本主義者のレッテルを貼られ、そのように見なされてきた人々が、音楽フェスの会場にある物販コーナーに並び、“Destroy Capitalism”がプリントされたTシャツを買おうとしている様子が描かれており、観客の消費傾向に合わせ、巧妙に商品化されていることを表現したと考えられる。さりげなくダーク・ユーモアを感じられる作品であり、“資本主義をぶっ壊せ”を意味する。2013年には世界最大のスーパーマーケットチェーンであるWalmart(ウォルマート)が、『Destroy Capitalism』(『デストロイ・キャピタリズム』)シリーズのポスターを消費者に向けて割り増し価格で販売したことは有名である。
Bomb Middle England

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
この『Bomb Middle England』(『ボム・ミドル・イングランド』)は、初期に制作した作品であり、キャンバスにアクリル絵の具とスプレーで描かれた原画は、2007年にサザビーズ・オークションハウスで開催されたオークションで102,000ポンドで落札・売却された。緑のコントラストが映える芝生に導火線に火が点いた爆弾を投げる人が描かれている。ボーリングのように投げているのか、ペタンクのように爆弾に爆弾を近づける競技をしているのか、植物の種を撒くよう爆弾を撒いているのか・・・様々な捉え方ができ、様々なメッセージを感じることができる。
Smiley Copper

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
バンクシーの本物の作品が世界中から集結した。作品を見ていると、どストレートに様々なことを問いかけられ、世界と社会のリアルな現状が見えてくる。いまこの時代だからこそ、日本人も日本国と世界の問題に目を向け、もっと考えなければならない。