過去最大規模で上陸した展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕—強烈なメッセージ性溢れる作品が衝撃と気付きを与える
遂に日本国でのBanksy Yearがスタート!過去最大規模で上陸した『バンクシー展 天才か反逆者か』の全貌と見どころはいかに!?プロデューサー兼キュレーターが語ったこととは!?記事を読み進めよう!
入場ゲートを抜けると、そこにはバンクシーが!バンクシー自身が監督した2010年公開のドキュメンタリー映画『Exit Through the Gift Shop』(邦題『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』)にも出てくるバンクシーのスタジオが再現されている。正体不明のアーティストの展覧会を開催することはもちろん、世界観を表現することは難しく、このスタジオもいくつもの写真や映像から再現したという。本作では、バンクシーが「物事の本質は隠されていることが多いが、メディアは表面しか見ない」という言葉も残している。バンクシーが“そこにいる”かのような雰囲気に息を呑み、正体不明で謎のバンクシーとその世界観に来場者を惹きつける。
Printing Plate Laugh Now / Bomb Love
もっとも有名な限定版の版画『Laugh Now』(『ラフ・ナウ』)と『Bomb Love』(『ボム・ラブ』)の版面(プリンティング・プレート)が展示されている。これらの版面は、印刷後にバンクシーがサインを入れ、印刷所のオーナーに贈呈したものである。同作品の限定版を印刷するプロセスもビデオ上映されている。
Kate Moss
アーティストのAndy Warhol(アンディ・ウォーホル)の代表作である女優/モデルのMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)のポップな肖像を引用し、当時、雑誌などの表紙を飾っていたモデルのKate Moss(ケイト・モス)の肖像を描いた。アンディ・ウォーホルへの賛辞である。大衆が真の技能ではなく、ブランドや人気のあるイメージにお金を払う、人気があるものでない限りアートを必要としないという、アートの市場もアンディ・ウォーホルの時代から変わらない消費至上主義であることを指摘し、表現したと考えられる。初版はブルーのプリント(左上)のみだったが、たちまち人気を博して売れたため、シリーズとして他の色のプリントも制作された。展示されている6枚は、全シリーズの完全なコレクションである。さらにケイト・モスの結婚の祝いとして特別版も制作され、新婚旅行中だったケイト・モスの自宅のバスルームにケイト・モス本人も知らぬ間に飾られていたという話は有名な話だが、その後、泥棒に侵入され、盗難にあったものの中にこの特別版も含まれていたようだというニュースも有名だ。
Donut Strawberry / Chocolate Donut
バンクシーの本物の作品が世界中から集結した。作品を見ていると、どストレートに様々なことを問いかけられ、世界と社会のリアルな現状が見えてくる。いまこの時代だからこそ、日本人も日本国と世界の問題に目を向け、もっと考えなければならない。