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過去最大規模で上陸した展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕—強烈なメッセージ性溢れる作品が衝撃と気付きを与える

遂に日本国でのBanksy Yearがスタート!過去最大規模で上陸した『バンクシー展 天才か反逆者か』の全貌と見どころはいかに!?プロデューサー兼キュレーターが語ったこととは!?記事を読み進めよう!

 
BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』
Girl with Balloon by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

ここで、バンクシーが起こした“グラフィティ戦争”をご紹介しよう。イギリス(連合王国)のストリート・アートのパイオニアであるアーティストのKing Robbo(キング・ロボ)は、バンクシーと同様に素性を一切明かさないアーティストだった。2009年、キング・ロボが1985年にカムデン運河のトンネル付近の壁に描いたグラフィティの一部をバンクシーが描き替え、自身の作品にしたことがきっけとなり、この2人の対立が勃発。HIP HOPの要素でもあるグラフィティは、ストリート・アーティスト(ライター)たちの間で「他のアーティストが描いたグラフィティの上にグラフィティを描いてはいけない」「他のアーティストのグラフィティを自分のグラフィティに利用してはいけない」というルールが存在し、HIP HOPのグラフィティ・アーティスト以外のストリート・アーティストにもそのルールが浸透していたが、自身の作品に他のアーティストが描き加えることができる空白をつくるなどして概念を覆していたバンクシーがこのルールを破った形となった。そして、引退していたキング・ロボも復帰し、描き替えられたグラフィティをさらに描き替えるなどして対抗のループが繰り返され、対立が激化。バンクシーがイギリス(連合王国)のバービカン・エリアの壁に「London does not work.」(ロンドンは働かない。)という看板を持ったネズミを描いた後、キング・ロボのチームがネズミが持った看板の言葉を「I Love London ROBBO」(私はロンドンが好きだ。ロボ)に描き替えている。対立が激化するなか、キング・ロボは、バンクシーに描き替えられたグラフィティを描き替えている最中に脚立から落下して頭部を強く打ち、意識不明の重体で病院に運ばれ、2004年に死亡した。このことを知ったバンクシーは、キング・ロボのオリジナルを簡略化したグラフィティを描き、追悼の炎を灯したスプレー缶を描き添えた。この一連の出来事は、イギリス(連合王国)のメディアが制作したドキュメンタリー映像『Robbo vs Banksy Graffiti Wars』(『ロボvsバンクシー グラフィティ・ウォーズ』)で描かれ、その内容からバンクシーの評判は悪くなった。

Choose Your Weapon
BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

この『Choose Your Weapon』(『チューズ・ユア・ウェポン』)は、最初はイギリス(連合王国)ロンドンのサウスワーク地区キャンバーウェルの建物の壁に描かれ、アーティストのKeith Haring(キース・ヘリング)が描いた犬を引用した。キース・ヘリングへのオマージュである。壁は何よりも大きく、効果的な武器であり、誰かを叩きつけることができる忌まわしいものであることを意味し、ストリート・アートは民衆の正義のための手段であるという意味で「Choose Your Weapon」(武器を選択せよ)というタイトルが付けられたと考えられる。建物の壁に描かれた『Choose Your Weapon』(『チューズ・ユア・ウェポン』)は、建物の所有者が有機ガラスで保護していたが、誰かがネコの絵を描いたようだ。その後、壁から取り去られ、最終的にオークションで売却された。本展覧会で展示されているのは、販売目的で制作された最新の版画の1枚。版画は、全部で19色、1色あたり25枚から100枚の版画が制作され、そのうちの25枚をコレクターに宛てて無料で贈っている。プリントの収益は、ロシア連邦のストリート・アート・グループVoina(ヴォイナ)の支援に当てられてた。

No Ball Games
BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

この『No Ball Games』(『ノー・ボール・ゲームス』)は、2009年にイギリス(連合王国)ロンドンのストリートに描かれた。2人の子どもが「No Ball Games」(球技禁止)と書かれたボードで遊んでいる様子が描かれており、一種の反抗を表現したと考えられる。過去に遡ると、禁止のテーマで、子どもたちがパスしているものがテレビやボールが映ったテレビ、ネズミが「No Ball Games」と書かれたボードの下でボール遊びをしているという作品も制作している。

 

バンクシー展 天才か反逆者か BANKSY GENIUS OR VANDAL?

 

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バンクシーの本物の作品が世界中から集結した。作品を見ていると、どストレートに様々なことを問いかけられ、世界と社会のリアルな現状が見えてくる。いまこの時代だからこそ、日本人も日本国と世界の問題に目を向け、もっと考えなければならない。

 
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