過去最大規模で上陸した展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕—強烈なメッセージ性溢れる作品が衝撃と気付きを与える
遂に日本国でのBanksy Yearがスタート!過去最大規模で上陸した『バンクシー展 天才か反逆者か』の全貌と見どころはいかに!?プロデューサー兼キュレーターが語ったこととは!?記事を読み進めよう!

Love Rat

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
この『Love Rat』(『ラブ・ラット』)は、筆を手にしてハートを描くネズミだが、イングランドのリヴァプールにある扉に描かれたローラーを手にしてハートを描くネズミはすぐに消されてしまった。これらは、グラフィティなどのストリート・アートに対する愛を表現したと考えられる。本展覧会では、この『Love Rat』(『ラブ・ラット』)以外にも“逃げ出すのならいまのうち”を意味する『Get Out While You Can』(『ゲット・アウト・ホワイル・ユー・キャン』)や“地獄へようこそ”を意味する『Wellcome to Hell』(『ウェルカム・トゥ・ヘル』)、HIP HOPのB-BOYのような格好をし、ラジカセに肘をかけるネズミを描いた『Gangsta Rat』(『ギャングスタ・ラット』)、“どうせ俺は役立たずだ”を意味する『Because I’m Worthless』(『ビコーズ・アイム・ワースレス』)なども展示されている。バンクシーは、ネズミが掲げる看板に必ずしもメッセージを書き込むわけではなく、他のストリート・アーティストが描き加えることができるように空白にしておく場合もあるという。バンクシーがネズミを用いるのは、街で唯一の自由を手にし、人々に多大な悪影響を与える動物としてネズミのグラフィティをステンシル技法で描いていた“ステンシル・グラフィティの父”として知られるアーティストのBlek le Rat(ブレック・ル・ラット)へのオマージュとも言われており、バンクシーは「独創的なオリジナル作品が描けたと思っても、20年前にはブレック・ル・ラットも同じことを既にやっていたんだと気づかされる」とコメントしており、当初はバンクシーのスタイルが自身の真似ではないと語っていたブレック・ル・ラットが次第に「バンクシーが自分の真似をしている」と、これまでとは異なる発言をし始めた後には「真似たということは絶対にないが、とても格好良いアーティストだと思う。ル・ラットがストリート・アートで果たした貢献は偉大で揺るぎないものだ」と、ブレック・ル・ラットに敬意を表している。
I Love London

©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
バンクシーの本物の作品が世界中から集結した。作品を見ていると、どストレートに様々なことを問いかけられ、世界と社会のリアルな現状が見えてくる。いまこの時代だからこそ、日本人も日本国と世界の問題に目を向け、もっと考えなければならない。