日本書紀成立1300年特別展『出雲と大和』が開幕—神話を礎とする壮大な国家の構築とデザインの舞台となった重要地点から紐解く
天皇陛下・皇后陛下のお代替わりと改元に伴い、日本国の成り立ちや歴史が注目を集めるなか、古代日本を紐解く特別展『出雲と大和』が開催中!展覧会の見どころはいかに!?記事を読み進めよう!
巨大本殿 出雲大社
現代では男女の縁を結ぶ縁結びの御祭神・神社としても知られているが、生きとし生けるものが共に豊かに栄えていくための貴い結びつきや目に見えない縁を結ぶ御祭神・神社である島根県出雲市・出雲大社の創建は、神話にも記されており、日本国で最も古い由緒をもつ神社の一つ。
古代の出雲大社本殿
出雲大社の本殿は、古代には16丈(48m)の高さを誇ったと言われており、2000年には境内から巨大な杉の柱が発見された。その柱が、今回、威風堂々と展示されている鎌倉時代の本殿を支えた重要文化財「宇豆柱」と重要文化財「心御柱」。「宇豆柱」と「心御柱」が発見されたことで、巨大本殿の実在が証明された。歴史書『古事記』にも出雲大社の成り立ちとして巨大本殿の逸話が記されている。古代の出雲大社本殿を再現した模型も展示されており、これだけ巨大な本殿が実在したことは驚きだ。そして、日本国でも数年前から話題となり、既にお気付きの方もいるだろうが、古代の出雲大社本殿の構造が、古代エジプトのクフ王のピラミッドの内部にある「大回路」と「王の間」の構造に似ている。いまのところ出雲大社の巨大本殿とピラミッド内部の構造を結び付ける確かな根拠はないが、このような発見も面白い。
重要文化財 銅戈 / 重要文化財 勾玉
出雲大社に伝わる重要文化財「銅戈」と重要文化財「勾玉」。出雲大社には、この他にも手箱や甲冑などのご神宝をはじめ、社殿を飾っていた絵画など、出雲大社の歴史を物語る作品が多く伝わる。
第2章 出雲 古代祭祀の源流
出雲は、古代から日本海を通した大陸間交流により弥生時代には水田稲作や金属器が伝播、貝輪や土笛などが伝来し、独自の新たな文化を形づくり築いていた。祭祀文化についても大和とは異なり、弥生時代中期には青銅器を用いた祭祀が行われ、弥生時代後期には四隅突出型墳丘墓と呼ばれる巨大な墳墓を舞台とした祭祀が行われるようになる。
国宝 銅剣 / 国宝 銅矛 / 国宝 銅鐸
日本書紀や古事記、勾玉、出雲大社の心御柱・宇豆柱など、古代日本を語る上で重要な至宝が大集結!青銅器の多さにも圧倒される。大和民族の魂を感じよ!