特別企画『奈良大和四寺のみほとけ』が開幕—岡寺・室生寺・長谷寺・安倍文殊院の国宝・重要文化財が集結
重要文化財 釈迦涅槃像
釈迦が涅槃に入るときの姿。二本の沙羅双樹の間に設えた寝床の上に、体の右側の下にして横たわったという説話に基づいている。涅槃の姿は一般には絵画に表されることが多く、重要文化財「釈迦涅槃坐像」のような大型の彫刻作例は、日本国では極めて珍しい。平安時代までは両手を体に沿って伸ばすかたちが主流だが、右手を曲げて頭に添えるかたちは鎌倉時代以降に多くなる。また、整理され衣文線や掲揚のある体つきの表現などから、重要文化財「釈迦涅槃坐像」は鎌倉時代に制作されたとみられている。
重要文化財 菩薩半跏像
片脚を組み、思案する姿の半跏思惟像は、日本国では仏滅から5,670,000,000年後に現れる弥勒菩薩として信仰される。重要文化財「釈迦半跏像」の自然な体つきや衣の表現から奈良時代に制作されたとみられている。岡寺本尊の像内から発見されたと伝えられ、岡寺の歴史に関わる像としても貴重である。
室生寺
特別企画『奈良大和四寺のみほとけ』
編後