安達祐実と京極夏彦が水木しげるの生誕100周年を記念した展覧会に登場—水木しげるの妖怪 百鬼夜行展が東京シティビューで開幕
妖怪漫画の第一人者である故・水木しげる氏初の大型展覧会のオープニングセレモニーが開催された!どのようなセレモニーになったの!?記事を読み進めよう!
漫画家/妖怪研究家/紙芝居作家 故・水木しげるの生誕100周年を記念した初の大型展覧会『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜』のオープニングセレモニーが2022年7月7日(木曜日)に開催され、女優の安達祐実と小説家の京極夏彦が涼を感じさせる和装で登壇した。
展覧会『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜』の開幕に先駆け、開幕前日にオープニングセレモニーが開催され、水木しげるの長女で水木プロダクションの取締役でもある原口尚子、妖怪研究の第一人者であり国際日本文化研究センター 名誉教授の小松和彦、さらにスペシャルゲストとして親子で妖怪に親しむ安達祐実と水木しげる門下の京極夏彦が登場。
故・水木しげるとは公私に渡って20年以上の親交があった京極夏彦は、「水木さんの漫画を読まれた方はいっぱいいらっしゃると思います、どれも傑作ですから。一番の傑作は、水木しげる本人です。水木漫画のような人でした。大変にサービス精神旺盛で愉快な方だったんですけど、一方で仕事にはめちゃくちゃ厳しい方でしたから、仕事をしているときの顔はものすごくきつい顔をして、点数をつけるんです。それ以外の場所では、とても優しくて良い方で、ぽけっとした感じで世の中には出てくるんですけど、とても頭の回転が速いんです。特に印税の計算はすごく速いんです。そういう人でした」と、会場の笑いを誘いながら水木しげるの人柄を振り返り、水木しげるが描く妖怪の魅力については「水木さんの描く妖怪は、日本に古くから伝わっているものなのかというと、そうではないんですね。水木さんにとってリアルであって、水木さんが感じたこと、水木さんの気持ち、水木さんの考え、それに基づいて色んなものを色んなところから持ってきて、創り上げるものでした。私たちが水木妖怪に触れることで、水木しげる本人に触れるんですね。水木さんはとっても面白い方で素晴らしい方なので、漫画やお化けの絵を通じて本人に触れちゃうんだと思うんです。だからグッとくるんだと思うんですね。しかも、そこから先に日本の豊かな文化や民族がちゃんと待っているもんだから。妖怪がいっぱい展示されていますけど、一つひとつが“ドア”になっているんですよ。妖怪の絵を見て“ドア”を開けると、そこから先に豊穣な日本の文化がちゃんと詰まっている。でも、その“ドア”には“水木”という表札が書いてある。そこを忘れちゃいけないなと、僕は思います」と、妖怪の絵を水木しげるの世界の“ドア”という表現で魅力を語った。安達祐実は、自身の子どもが4歳から水木しげるの妖怪にハマり「去年の誕生日に「何がほしい?」と聞いたら、「鬼太郎の服がほしい」と言ったので買ってプレゼントしたら、毎日のように着て成りきっていました。息子は、“あかなめ”とか“がしゃどくろ”、“小豆洗い”が好きです」と明かすと、京極夏彦が「なんて先行きの楽しみなお子さんなんだろうと思いました、素晴らしいです」と微笑んだ。
本展を一足早く楽しんだ京極夏彦は「お化けが好きな人は、ただ楽しいはずです。“水木しげるが好きで”っていう人が世の中にはいるんですね。そういう人たちも楽しめると思います。水木しげるが手で触ったんだなと思うだけで、顔を近づける人もいるでしょう。妖怪マニアも、一般の方も、細かい方も、深い方も、ちょっとどうかなと思う方も、全部楽しめるつくりになっているから、とても良い構成なのかなと思います」と語り、安達祐実は「テンションが上がっちゃって、すごく楽しく観させていただいたんですけど、私世代はもちろん、うちの息子の世代にも、みんなの中に水木先生の妖怪が根付いているんだなというのを改めて感じました。ご家族で来られても、どの世代の方にも純粋に楽しんでもらえる展示だなと思いました。息子も連れてきたいなと思いました」と感想を語った。
最後に、京極夏彦は「万人にお化けを喜んでもらえるものになったのではないかと思います。水木さんの妖怪、お化けは、みんなを受け入れてくれます。来て損はないです。絶対楽しいし、絶対にグッズを買っちゃいます」とコメントし、安達祐実は「水木先生の発想の発端を感じることができて、大人も面白いなと思いながら進んでいってもらえると思います。妖怪に詳しくなくても一度は目にしたことがある、聞いたことがある妖怪もたくさんいますし、あそこでぬりかべにも会えましたし、妖怪たちもいてくれるので、ぜひ、みなさんに楽しんでいただければと思います」と、本展を楽しみにしている方々に向けてメッセージを送り、締めくくった。
故・水木しげるの生誕100周年を記念した初の大型展覧会『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜』は、2022年9月4日(日曜日)まで東京シティビューで開催。
日程: 2022年7月8日(金曜日)から9月4日(日曜日)
時間: 10時00分から22時00分(最終入館は21時00分)
休館: 会期中無休
会場: 東京・東京シティビュー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
料金: 事前予約制 一般 当日 2,200円(税込) 前売り 1,900円(税込) / シニア(65歳以上) 当日 1,900円(税込) 前売り 1,600円(税込) / 高校生・大学生 当日 1,600円(税込) 前売り 1,300円(税込) / 4歳〜中学生 当日 1,000円(税込) 前売り 700円(税込) / ほか
注意: 本展覧会に関する情報は予告なく変更になる場合があります。また、情勢によりやむを得ず、営業時間に変更が生じる場合や、休業となる可能性もあります。最新情報、詳細、注意事項を公式サイトおよび公式SNSにて必ずご確認ください。
お問い合わせ: 東京シティビュー 03-6406-6652
水木しげる生誕100周年サイト
https://www.mizukipro.com/100th/
故・水木しげる先生の長女である原口尚子さんは「水木の妖怪画を展示する展覧会は過去にもありましたが、今回の展覧会は今までにない内容です。どのように妖怪が生まれてきたのか、どういうものに影響を受けて妖怪画を描いてきたのか、その全てが紐解かれる展覧会となっています」と挨拶し、妖怪研究の第一人者である小松和彦さんは「水木さんは写真や絵を見たり、色々なものを見て妖怪を描いてきました。普通であれば公開されない水木さんの創作現場を覗けるような展示となっています。水木さんの想像力の素を皆さんに知っていただけるような展示ですし、楽しんでいただけると思います」と解説。安達祐実さんは、妖怪好きの息子さんのために妖怪の刺繍を手縫いしたランチョンマットを作ってソーシャルメディアに投稿したことも話題に!次に手縫いしたい刺繍の柄を聞かれると「最初は幼稚園で使うランチョンマットに“どくろはどうかな?”と思っていたので、次こそは“がしゃどくろ”に挑戦してみたいと思います!」と語っていた。