エンタメ業界も人種差別や公権力による不正と市民への暴力に対する抗議声明を発表—ディズニーやセサミストリート等次々と
アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイド氏が警察官に殺害された事件を受け、エンターテインメント業界やアート界、セレブリティたちも立ち上がっている。記事を読み進めよう!
アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスで一般市民George Floyd(ジョージ・フロイド)が当時・ミネアポリス市警察の警察官Derek Chauvin(デレック・チョーヴィン)被告に殺害された事件で、エンターテインメント業界やアート界、セレブリティたちも立ち上がっている。
アメリカ合衆国現地時間2020年5月25日(木曜日)、偽造紙幣を使おうとした“疑い”で通報されたジョージ・フロイドは、通報により駆け付けた当時・ミネアポリス市警察の警察官デレック・チョーヴィン被告他3人の警察官のうちデレック・チョーヴィン被告を含む3人の警察官に取り押さえられた。デレック・チョーヴィン被告は、武器も持たず、抵抗もしないジョージ・フロイドを取り押さえて地面にうつぶせにし、手錠をかけたまま約8分間にわたり膝で首を押さえつけ、鼻血を出しながら「I can’t breathe.(息ができない。)」と訴え続けるジョージ・フロイドを無視し、窒息させた。ジョージ・フロイドは、駆け付けた救急隊員によって病院に搬送されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。デレック・チョーヴィン被告他3人の警察官は免職、デレック・チョーヴィン被告は第3級殺人罪などで起訴され、他の元・警察官も起訴される予想となっている。
事件後、事件の様子を撮影していた周囲の人によってソーシャルメディアで映像が拡散され、アメリカ合衆国、世界中にたちまち広がり、アフリカ系アメリカ人だけではなく、あらゆる人々が人種差別や公権力(警察)による不正と市民への暴力に抗議するデモ、暴動に発展。抗議のデモには、一市民として映画・テレビで活躍している俳優や女優、アーティストなどセレブリティも参加。さらにエンターテインメント業界やアート界も人種差別や公権力(警察)による不正・市民への暴力に抗議する声明を発表している。
The Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)、Walt Disney Animation Studios(ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)、Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)、Lucasfilm(ルーカスフィルム)は「We stand against racism. We Stand for inclusion. We stand with our fellow Black employees, storytellers. creators and the entire Black community. We must unite and speak out.(私たちは人種差別に反対します。私たちは包括性のために立ち上がっています。私たちは仲間の黒人従業員や語り手、クリエイター、黒人コミュニティ全体と立ち上がっています。私たちは団結して声を上げなければなりません。)」、世界150以上の国と地域で愛され続けている子ども向け教育テレビ番組『Sesame Street』(『セサミストリート』)や子どもの教育プログラムを手掛けるセサミワークショップは「Racism has no place on our Street-or on any street. Sesame Street was built on diversity, inclusion, and, especially, kindness. Today and every day we stand together with our Black colleagues, partners, collaborators and the entire Black community. We stand with our friends around the globe to speak out against racism, to promote understanding, and to create a world that is smarter, stronger, and kinder.(私たちのストリートには、どの道にも人種差別は存在しません。セサミストリートは、多様性、包括性、そして、特に優しさ・親切に基づいて構築されました。今日、そして、毎日、私たちは黒人の同僚、パートナー、協力者、そして黒人コミュニティ全体と一緒に立ち上がっています。人種差別に反対し、理解を促進し、よりスマートで、より強く、より優しい世界をつくるために、私たちは世界中の友人たちと一緒に立ち上がっています。)」と、人種差別や公権力(警察)の不正・市民への暴力に反対・抗議し、アフリカ系アメリカ人(黒人)たちと一緒に立ち上がる声明を発表。さらにThe Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)やThe Museum of Modern Art, New York(ニューヨーク近代美術館)などのアート界も次々と抗議する声明を発表し、行動に移している。
いまに始まったことではないが、人種差別、公権力による不正・市民への暴力を含む事件は、アフリカ系アメリカ人(黒人)だけの問題やアメリカ合衆国だけの問題ではなく、世界各国、そして、ここ日本国も例外ではない。一人ひとりの間違った思想・認識・猜疑心・正義感、政治的・行政的・社会的なシステムそのものを変えていかなければ、今後も何も変わらないだろう。新型コロナウイルス感染拡大を機に変えなければいけないのは生活様式もだが、一人ひとりの考え方や政治的・行政的・社会的なシステムそのものを変える必要がある。
George Floyd氏が警察官に膝で首を押さえつけられ、意識をなくしていく映像はあまりにも酷いものだった。世界中で正義が正義ではなくなっている。これは、人種差別だけの問題か・・・いや、違う。もっと根本を考えなければならない。偏り、間違った体質・思想・認識・猜疑心・正義感が蔓延り、風潮になり、いのちが犠牲になる事態にまで陥っている。いま、一人ひとりの考え方や政治的・行政的・社会的なシステムそのものを変え、正さなければならない。