展覧会『ムーミン展 THE ART AND THE STORY』開幕—トーベ・ヤンソンとムーミンの魅力を知る
展覧会『ムーミン展 THE ART AND THE STORY』が、2019年4月9日(火曜日)より東京・森アーツセンターギャラリーで開催されている。
フィンランド共和国を代表する画家/小説家/ファンタジー作家/児童文学作家/『Moomin』(『ムーミン』)原作者のTove Jansson(トーベ・ヤンソン)が生みだした、愛らしい姿とユーモアあふれるコトバで世界中のファンを魅了する『ムーミン』シリーズは、小説、絵本、新聞、連載コミック、アニメーション、商品など、長年に渡って様々な形で親しまれており、日本国では『ムーミン』の物語を追体験できるテーマパーク「ムーミンバレーパーク」が2019年3月に埼玉県飯能市にオープン。しかし、『ムーミン』という名前やキャラクターは知っていても、物語や原作者のトーべ・ヤンソンについて詳しく知る機会は少ない。
展覧会『ムーミン展 THE ART AND THE STORY』では、フィンランド共和国ピルカンマー県タンペレ郡タンペレ市のTampere Art Museum(タンペレ市立美術館)内にあるMuumimuseo(ムーミン美術館)から小説『ムーミン』シリーズの原画やスケッチ、トーベ・ヤンソンが『ムーミン』シリーズを手掛ける前に描いていたスウェーデン語系政治風刺雑誌『GARM』(『ガルム』)の挿絵のほか、Oy Moomin Characters Ltd.(ムーミンキャラクターズ社)が保有する貴重なコレクションとして“まぼろしのムーミン人形”ともいわれるアトリエ・ファウニのムーミンフィギュア、イースターカード、アドベントカレンダーの原画、銀行や新聞の広告、トーベ・ヤンソンが最後まで手元に残していた作品など約500点が来日。原画やスケッチは、予想以上に多く展示されており、ボリュームに満足できる“大規模展覧会”・“決定版”と言える。さらに、今年2019年に日本国とフィンランド共和国が外交関係樹立100周年を迎えたことを記念して、トーベ・ヤンソンが愛した日本国を写真資料やスケッチで紹介、浮世絵と『ムーミン』を並べて展示するコーナーも設けられており、トーべ・ヤンソンや『ムーミン』シリーズの多彩なアートと奥深い物語の魅力、小説や絵本では見たことがないムーミンとその仲間たちの多彩な表情に迫る展覧会となっている。
開幕前日2019年4月8日(月曜日)には、フィンランド共和国からMuumimuseo(ムーミン美術館)館長のTaina Myllyharuju(タイナ・ムッリィハルエ)館長が来日し、内覧会に出席。タイナ・ムッリィハルエ館長は、「トーべ・ヤンソンとその作品は、フィンランドはもちろん、国際的にも人気を博し、年齢や性別、マイノリティなどに関係なく愛されています。人気に最初に火が付いたのはイギリスでしたが、その次に日本で大人気となりました。トーべ・ヤンソンの作品を読んでキャラクターに自分を重ね合わせることで安心することができます。作品に時間は存在せず、繰り返し読むことができますし、飽きることはありません。この展覧会では、ムーミンの物語と同時に勇敢で才能豊かな女性トーベ・ヤンソンの物語を日本の皆さんにお伝えできればと思います。国外(フィンランド外)で開催される大規模なムーミン展をお楽しみください」と挨拶した。
ここでいくつか展覧会『ムーミン展 THE ART AND THE STORY』の見どころをご紹介する。
たのしいムーミン一家
イギリス(連合王国)で翻訳出版されたことで、世界的に有名になっていくきっかけとなった記念すべき作品『たのしいムーミン一家』の表紙の原画も展示されている。色鮮やかで可愛いのが印象的、会場の中でも一際目を引く作品となっている。原画やスケッチ、挿絵は、予想以上に多く展示されており、じっくり見るには多少の時間を要するほどだ。